攻撃が行き詰ったハリルジャパン。引いた相手を崩すには、どうしたらいいのか?

カテゴリ:日本代表

清水英斗

2017年10月11日

起点はすべてサイド。そこで重要になるのが両サイドバックだ。

ゴールにつながったシーンでの車屋(24番)の攻撃参加は絶妙なタイミングだった。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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 狙いはサイドしかない。相手の中盤が広大なスペースを与えてくれる時、あるいは日本がカウンターを仕掛ける状況を除けば、起点はすべてサイドに持っていったほうがいい。
 
 そこで重要になるのが、両サイドバックだ。
 
 ニュージーランド戦を振り返ると、相手はクロスへの対応に自信を持っており、日本が得意とするニアサイドへの低いクロスも、完璧に封じていた。しかし87分、突破口を開いたのは、右サイドバックの酒井宏樹だった。乾貴士のクロスを、ファーサイドからもう一度折り返し、左右に振って、最後は倉田秋が押し込んだ。
 
 そしてハイチ戦。鍵を握ったのは、左サイドバックの車屋紳太郎だった。
 
 原口元気がターンし、前を向き始めた時から助走を始め、原口からパスが出ると同時に加速。そのまま相手の最終ラインを、オフサイドぎりぎりの“ジャスト”で抜け出し、相手DFを背走させながら、クロス。最後は酒井高徳のシュートから、香川真司が決めた。
 
 車屋のスピードを落とさない、原口のパスも質が高かったが、やはり左利きのサイドバックだけに、ファーストタッチで加速してペナルティエリアへ侵入し、左足でクロスを入れるまでの流れがスムーズだった。
 
 相手DFよりも一歩前へ抜け出せるかどうか。その微妙なタイミングが、ゴール前では相手の混乱を引き起こすだけに、この車屋の動きは素晴らしかった。
 
 相手がコンパクトさを意識し、ギュッと中央に縮まったら、大外からのスピードを伴った飛び込みが有効になるのは自然なこと。酒井宏も、車屋も、ぴたりとはまったのは、この1シーンくらいだったが、もっと徹底して仕掛ければ、引いた相手を、日本がバランスを保ちながら崩すことはできる。
 
 もっとも、車屋は球際など守備面の不安があるため、スタメンで出せるほどの信頼はないかもしれない。しかし、ボールを持たされつつも、日本が得点を取らなければならない状況に追い込まれたとき、交代カードとしてベンチに置く価値はあるのではないか。
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