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【小宮良之の日本サッカー兵法書】“健全な組織”でのみ強さは育まれる。では“健全さ”とは何か?

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2017年10月06日

結局は、選手が監督に好意を持つかどうか

智将ペップでもやはり、人心を掌握しなければ高度な戦術をチームに植え付けることはできない。今シーズンのマンチェスター・シティはここまで好調。ということは!? (C) Getty Images

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 ボニーニはさらに、本質を突く話を続けた。
 
「いつだったか、(ジョゼップ・)グアルディオラに聞いたことがあるんだ。『一体どうやって、君はここまで勝利する軍団を作り上げられたんだい?』とね。システムを構築し、プレーを生み出すのは簡単ではない。特に元々、チームにプレースタイルがあった場合にはね。反発もある」
 
「グアルディオラは、こう言ったよ。『唯一の方法は、選手が自分についてきてくれるか、ということに尽きますね。結局のところ、選手たちが私に好意を持つかどうかです』」
 
 やはり、監督と選手、そのあいだにいるコーチたち全員の信頼関係が全てなのだろう。選手が、その監督の下で成長を感じられるか。選手が監督をリスペクトしているチームは、健全と言える。
 
 その健全さのなかでこそ、強さはすくすくと育まれる。逆説すれば、健全ではない状況では、どんな手を打っても空転する。
 
 健全にチームを保てるか。突き詰めれば、それを果たせるということが、名将の条件と言えるだろうか。
 
「しかしながら、様々な状況によって、勝ち星に繋がらないことはある。主力選手が3、4人も怪我や移籍で離脱したら、チーム力は落ちる。思わぬ負のスパイラルに入ってしまうこともある」
 
「アスレティック・ビルバオでの2年目は、まさにそんな感じだった。勝負事は、どこまでいっても“偶然的な部分”を背負い込んでいるのさ」
 
 勝負の世界を生き抜いてきたボニーニだけに、その言葉の持つ意味は深い。
 
文:小宮 良之
 
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『おれは最後に笑う』(東邦出版)など多数の書籍を出版しており、今年3月にはヘスス・スアレス氏との共著『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』(東邦出版)を上梓した。
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