タイの現地メディアも本音は不満!? チャナティップの凄さはこんなもんじゃない

カテゴリ:Jリーグ

佐々木裕介

2017年09月26日

真面目な性格ゆえに大きな期待を消化できていないのかもしれない。

ファンからのサインのお願いに丁寧に応えるチャナティップ。周囲の期待はやはり大きい。写真:佐々木裕介

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 実はずっと感じていた。今の彼はタイで輝きを放っていた彼とはまるで違う。これでもかという程に小刻みにボールを触りながら自らのリズムを作りだして試合を作るタイプの選手にも拘らず、今はまわりとの連係を意識するばかりにボールタッチが極めて少なく彼の持ち味が出せていない。ティーラシン・デーンダー(ムアントン・Uの王様/タイ代表10番)やクレイトン・シウバ(BECテロやムアントン・Uで長年チームメイト)と奏でていたような、ファンをとろけさせる滑らかな崩しは存在しない。
 
 彼ならもっともっと出来るのに、そんなやるせない想いをタイメディアチームに投げると「俺たちだってそうは思っているけど」と苦笑いを浮かべながら、返答に困る表情を見せた。立場を察してくれということなのだろうか。
 
 間違いなく彼は、今まで経験したことのないレベルの大きな壁にぶち当たっている。人懐っこくて真面目な性格ゆえに、タイで活躍を楽しみにしている多くのファンや道民の期待を上手に消化できていないのかもしれない。また取材を通じ、ストライカーではなくチャンスメーカーである彼に、ファンや地元メディアがゴールを期待し続ける現状も、彼にはプレッシャーになってしまっているのであろうと。
 
 しかし彼は助っ人だ。期待に応えなければならない立場であり、彼の活躍が東南アジアサッカー界の今後をも左右しかねない立場でもある。もう彼だけの問題ではなく、ここで明確な数字を残さなければ、アセアン年間最優秀選手の名も廃りかねないのだ。
 
 だからこそあえて言いたい。チャナティップよ、今こそエゴイストになるべきだ! もっと野性的に、本能のままにやってみろよと。彼本来の輝きこそが、チームのJ1残留への近道だと信じて止まないのだ。
 
取材・文:佐々木裕介
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