衝撃の番狂わせ!なぜ「最少得点」の甲府は「最少失点」の横浜から3点を取れたのか

カテゴリ:Jリーグ

大島和人

2017年09月24日

吉田監督も「それぞれがどこにいるか、どこにいるべきかが見えてきた」と評価。

シーズン途中に加入したリンスは素早くチームにフィットした。写真:徳原隆元

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 リンスもこう説明する。
 
「フィゲレンセの時からドゥドゥのことは知っているし、一緒に試合で組んだこともある。グラウンド以外でも仲が良かったから、それがコンビの上手く行っている理由じゃないかなと思う。お互いに譲るところは譲れる関係だし、良い形でやれていると思う」
 
 ドゥドゥはスピードがあり、球際でも粘れるようになってきた。リンスは狭いスペースでボールを受けて、収める能力が高い。リンスは8月上旬の加入だが、過去の関係も奏功してふたりの活かし、活かされる関係が速やかに生まれた。
 
『内容は悪くないけれど決められない』という深刻な症状に見舞われていた甲府だが、ようやく普通のチーム並みに得点を決められるようになっている。
 
 クラブもそれを見込んでウイルソンとの契約を解除したのだろう。ブラジル人を4人同時に起用することはできない。そこで甲府のフロントはアジア枠で高さという強みを持つビリーの獲得を選択した。
 
 吉田監督も「それぞれがどこにいるか、どこにいるべきかが見えてきた」とふたりの関係を肯定的に見る。端的に言えばふたりは近い距離間でプレーし、ふたりだけで崩し切れる。攻撃にあまり人数を避けない甲府にとって、そのようなユニットが機能することは大きい。
 
 吉田監督はこうも述べる。
 
「練習を見ていてもふたりはものすごく楽しそうにやっている。そんなこともすごく良いのかなと思います」
 
 ともすると重苦しさが生まれやすい残留争いの日々のなかで、彼らの陽気なキャラクターもチームを助けている。
 
 ドゥドゥの復活に大きく貢献した裏方が、5月下旬にチームへ加わった日系ブラジル人の理学療法士木村マルコストシフミ氏。彼のメニューがドゥドゥのコンディション向上に好影響を与えていることは明らかだが、実は彼もフィゲレンセに長く在籍していた。
 
 かのマンチェスター・シティと提携する横浜を倒す立役者になったのは――。ブラジル全国選手権の1部と2部を行き来するフィゲレンセから甲府にやって3人の男たちだった。
 
取材・文:大島和人(球技ライター)

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