香川も指摘する攻撃のアイデア不足、そして守備も…新生ドルトムントの現状と課題とは!?

カテゴリ:連載・コラム

中野吉之伴

2017年09月16日

守備面での“迷い”は早期に解消すべし

ポゼッションを志向するボシュ監督のサッカーは、すぐに浸透するものではない。果たしてチームの完成はいつになるだろうか。 (C) Getty Images

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 守備でも、改善が求められる。ペテル・ボシュ監督が志向するハイプレス・ハイスピードのコンセプトについて、選手は頭では分かっていても、まだ自分たちのものにはしていない。人数をかけてボールを奪いに行きながら、あっさりといなされてそのまま相手にカウンターを許す場面が多い。
 
 この点に関して、トッテナム戦でテレビ解説していた元ドイツ代表GKのオリバー・カーンが「1試合でファウルがわずかに6!? このレベルで戦うには、競り合いにおける激しさが足らない」とピシャリ……。
 
 もちろん、新しい戦い方がすぐに浸透することはなく、まだ時間が必要なのは言うまでもない。それでも「奪い切る」ための決断に迷いが生じたり、決断したはずが、思い切りが足らずに中途半端なプレスになったりという点は、早めに改善されなければならない。
 
 チームの安定感は、香川のパフォーマンスにも大きな影響を与える。狙いを持ってボールを回し、それぞれがチームのなかでやるべき役割を把握している時にこそ、攻撃バリエーションにアクセントを加え、プレーリズムに変化をもたらす香川の持ち味が、最大限に発揮されるからだ。
 
 とはいえ、まだまだ基盤作りの段階。ここから細部を修正しながら、チームのあり方が築き上げられていくことだろう。
 
文:中野 吉之伴
 
【著者プロフィール】
なかの・きちのすけ/1977年7月27日秋田生まれ。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。地域に密着したアマチュアチームで様々なレベルのU-12からU-19チームで監督を歴任。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス獲得(UEFA−Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、2016-17シーズンからドイツU-15・4部リーグ所属FCアウゲンで監督を務める。「ドイツ流タテの突破力」(池田書店)監修、「世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書」(カンゼン)執筆。最近は日本で「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで様々な活動をしている。

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