【W杯アジア予選/采配検証】ハリルの揺らがなかった信念。その手腕は認めざるを得ない

カテゴリ:日本代表

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2017年09月02日

ホームのホーストラリア戦では「チームこそスター」を実践。

ホームのオーストラリア戦で先発起用された井手口は追加点を決めるなど、監督の期待に応えた。写真:サッカーダイジェスト

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 メンバーも戦術もほぼ固定しないハリルホジッチ監督のやり方をひと言で表現するなら“柔軟”。最終予選の進行期間中にサッカーダイジェストのインタビューに応じてくれた原口元気も、この指揮官について次のように話していた。
 
「スカウティングを細かくする監督なので、『こういう選手でこういう戦い方をするから、こういうプレーが有効だ』と、試合前にアイデアをいくつかくれます。そのうちどれを使うかは選手で判断していいよ、と。
 
まだまだ表現できていない部分も多いですけど、『俺たちはこうだ』とひとつの形に固執するよりも、相手を分析して戦ったほうが強いチームと対戦した時に勝てる可能性が高まる。ワールドカップのようなレベルの高い大会のほうが、ハリルさんの良さは出るのかなと」
 
 戦略家としての良さが出た試合のひとつが、ホームのオーストラリア戦だろう。本田、香川真司、岡崎慎司といったネームバリューに捉われず、相手の意表を突く形でリオ五輪世代の浅野拓磨と井手口陽介らを先発起用した。結果はご存知の通り、日本の完勝だった。
 
 3トップの大迫勇也、浅野、乾貴士が前線からハイプレスをかけ、井手口と山口蛍の両インサイドハーフは鋭い出足でスペースを埋める。

 そしてアンカーの長谷部が絶妙なポジショニングでセカンドボールを拾えば、4バックの酒井宏樹、吉田麻也、昌子源、長友佑都はタイトなマークで敵を潰す。

 特定の個に頼らず、GKの川島永嗣も含むピッチ上の11人で助け合いながらオーストラリアの攻撃を無力化した戦いぶりは、まさに「チームこそスター」を具現化したものだった。
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