【SBS杯】U-18日本代表のフィジカルモンスターを進化させた「チョン・テセの教え」

カテゴリ:高校・ユース・その他

松尾祐希

2017年08月11日

「ここで活躍するしか、人生は変えられない」。

清水の練習に参加した加藤を、大いに刺激したのがこのチョン・テセだ。目からウロコのアドバイスをもらったという。(C)SOCCER DIGEST

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 学びと手応えを得たのは、8月上旬のことだ。加藤は、清水エスパルスの練習に参加した。
 
「最初は慣れなくて、3日目ぐらいからだったんですけど、カヌとマッチアップしてもやれた」と本人が語るように、身体能力に秀でたブラジル人CBとのエアバトルで堂々と渡り合う。そこで自信を手に入れるとともに、チョン・テセとの出会いにより、いくつかの学びがあったという。
 
「テセさんからアドバイスをもらいました。自分の中ではすごく大きい。どういう風にやれば身体を当てながら前に進められるのか、どういう場所で受けて、どういうところで身体を当てれば相手の懐に入れるのか。ものすごく参考になったし、自分のプレーに活かされています」
 
 チョン・テセもまた、フィジカルを前面に押し出したプレーが身上のストライカー。大先輩の助言が形となって現われたのが、前述のアシストの場面だ。
 
「いつもならひとり目を外したところでシュートを撃っていました。でも、より高い確率を求めて、もうひとつ運んだほうがコースを作れるのではないかなと感じた。そして実際に運んでみたら、左足でもシュートを撃てたけど、ディフェンダーがファーのコースを切りながら向かって来たので、横へのパスを選択したんです」
 
 以前ならひとり交わしてゴールを狙っていた場面。そこで、チョン・テセの教えだ。身体を巧みに使いながらもう1枚剥がして、前へと突き進んでいった。滅法強い空中戦に加え、地上戦でも局面を打開する術を身につけた。きわめて大きな、新しい武器と言えるだろう。
 
 怪我の影響で8か月間プレーできなかったが、パワーもバージョンもアップさせて戻ってきた。「このレベルでもゴールが決められるようにならないといけない」と語ったのは、U-18日本代表の秋葉忠宏コーチ。あとは、どれだけ得点を積み重ねられるか。清水からも求められている部分であり、正式オファーを受けるためにも、明確な結果、つまりゴールが必要だ。
 
「ここで活躍するしか、人生は変えられない」
 
 みずからの足で、未来を切り開く。
 
取材・文:松尾祐希(サッカーライター)
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