「4-0からの4-4なんてありえないから。舞い上がってる場合じゃない」と警鐘を鳴らす。
そして3得点目は試合終了間際に滑り込みでゲット。6-4とリードし、時間を稼ぎつつ得点機をうかがっていた90+6分、敵陣深い位置でのボールキープからペナルティエリア内への侵入に成功した和泉竜司がマイナスに折り返すと、「左足で蹴ると膝が抜けるから蹴りたくないけど、最後だしまあいいか」と飛び込んできた田口が文字通り流し込むように、丁寧に左のインサイドキックでゴールを奪った。「しっかりニアが見えたのはよかった」と得点シーンを振り返り、「やっぱり膝は外れたけどね」と最後にひと言。そんな重大な古傷を抱えながら、ここまでステップアップとフル出場を続けてきたのかと思うと、彼の能力の高さに改めて鳥肌が立った。
「気分はそりゃあ最高だけど、4-0からの4-4なんてありえないから。舞い上がってる場合じゃない」
常日頃より内容以上に結果を重視する男は、勝機を逸しかけた自分とチームに警鐘を鳴らす。約15分間で奪われた4つの失点にしても、「人数が足りなくて失点しているわけではないから、あの数分間でそうなるのはおかしなこと。映像を見てチームでしっかり反省しないとね」と浮かれた様子はない。攻撃のスイッチ役として、またパワフルなディフェンスの担い手として、そして得点が期待できる選手のひとりとして。田口は今回のハットトリックを機に、新たな潜在能力の扉を開いたのかもしれない。
取材・文:今井雄一朗(フリーライター)
「気分はそりゃあ最高だけど、4-0からの4-4なんてありえないから。舞い上がってる場合じゃない」
常日頃より内容以上に結果を重視する男は、勝機を逸しかけた自分とチームに警鐘を鳴らす。約15分間で奪われた4つの失点にしても、「人数が足りなくて失点しているわけではないから、あの数分間でそうなるのはおかしなこと。映像を見てチームでしっかり反省しないとね」と浮かれた様子はない。攻撃のスイッチ役として、またパワフルなディフェンスの担い手として、そして得点が期待できる選手のひとりとして。田口は今回のハットトリックを機に、新たな潜在能力の扉を開いたのかもしれない。
取材・文:今井雄一朗(フリーライター)