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【総体】6年で5度目の夏制覇! 常勝・日ノ本学園を率いる女性監督、田邊友恵の情熱と葛藤

カテゴリ:高校・ユース・その他

川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

2017年08月06日

3日間ぶっ続けのミーティングでチームがひとつに。

決勝は勝ちにこだわり、みずからのスタイルを封印した日ノ本。走り合いでも球際でも、一歩も引かなかった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 とはいえ、いまひとつチームのムードが高まってこない。日々のトレーニングがルーティーンのようになり、覇気が感じられなかった。たまりかねた指揮官は、誰も思いもつかない荒療治に打って出た。
 
「6月でしたね。サッカーをする以前の問題だったし、もっと意見を言い合える仲にしたいと思って、徹底的に話し合いをさせたんです。サッカーはまるでできない。3日間です。学年でもやり、チームでもやり。『終わりました』と言ってきても『いや、まだでしょ』と突き返して。あの3日間は彼女たちにとって、とても大きな経験だったと思います。みんながあの日を忘れないと、モチベーションビデオにも入れてましたから。あれがあって、ようやくチームになれました」
 
 1回戦の日本航空戦を3-0でモノにすると、2回戦では関東予選・準優勝の前橋育英を1-0で下した。しかし準決勝の作陽戦は、大ピンチに見舞われる。2-0から終盤に追いつかれ、PK戦にもつれ込んだのだ。これを4-2で辛くも制し、ファイナルへ進出。チーム内に「これではいけない」という危機感が芽生え、よりいっそう団結したという。
 
「作陽戦は今大会のポイントでした。PK戦というひとつの山を乗り越えられた。選手たちはもっとしっかり勝ちたかったのに追いつかれたのが悔しかったようで、みんなで修正点を話し合ってましたね。(決勝の相手である)順心はなんだかんだでたくさん点を取って勝ち進んできている。うちは苦しんでるぶん、どんな状況でも対応できるよねという持って行き方をしました」
 
 決勝では、とことん勝ちにこだわったという。選手たちに勝ちたいか、いいサッカーがしたいか、どちらだと訊くと、前者だと答えたという。持ち前のパスワークを徹底すれば、順心自慢のハイプレッシャーの餌食になってしまう。中盤をコンパクトに保って長めのボールを多用し、相手の嫌がることをやり続けた。我慢比べの中で、勝機を探った。
 
 お互いにほとんどゴールチャンスを掴めないなか、均衡を破ったのは日ノ本だった。後半18分、右サイドから放たれたクロスにMF澁川鈴奈が頭で応えて先制。「信じて走り込めばなにかが起こると話していたので、それが形になったゴールでした」と指揮官。これが値千金の決勝弾となった。
 
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