最悪の前半はなぜ回避できなかった? U-20日本代表が結成以来アジアで初失点、初黒星…

カテゴリ:日本代表

川端暁彦

2017年07月24日

センターバックからの持ち出しがひとつのポイントに。

身体の強さを活かしたポストプレーで存在感を発揮した小松。U-20W杯後に台頭してきた“新戦力”FWだ。写真:佐藤博之

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 4-4-2の日本に対して、中国の布陣は4-1-4-1。日本のダブルボランチは二人のセントラルMFの監視下にあり、その後方にアンカーも控える形だ。中盤中央は数的不利。ボランチだけで運ぶのは難しい。定石からいけば、逆に数的優位になっているセンターバックの2枚で相手の1トップをはがしてボールを運んでしまうのがベストだ。板倉滉と中山雄太はともにボランチもこなせるほどの技術の持ち主であり、そもそも、そうした狙いもあるからこそ、この二人のような選手をセンターバックとして並べている。後方から主導権を握っていくのはチームとして徹底していた部分でもあったはずだが、この一戦ではどうにも上手くいかなかった。
 
 守備の問題は逆に2トップが起点だった。田川亨介(鳥栖)と旗手怜央(順天堂大)の前線コンビは、戦術的な動きを含めた守備力という点では不安のある二人である。コンビを組んで日が浅いということもあるだろう。出発前に行なわれたユニバーシアード日本代表との練習試合でもそうだったのだが、この日もボールの追い方がチグハグで守備のスイッチが入らない。前半途中からはむしろ中国に主導権を握られる展開となり、前半終盤に2点を失う「最悪の流れ」に陥ってしまった。
 
 後半から前線にFW小松蓮(産業能率大)が投入されると、DFを背負うプレーが苦手な前半のコンビと異なってターゲットにもなれることから、全体の動きが良化。指揮官から厳しい指示も出たというセンターバックコンビもしっかりボールを持ち出す本来のプレーを取り戻し、前後が噛み合うようになった。54分に遠藤が1点を返しているが、これもさかのぼっていくとセンターバックのボールを持ち出すプレーが起点になっている。
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