ポドルスキの「強み」と「弱み」。輝くために必要なことは?

カテゴリ:Jリーグ

遠藤孝輔

2017年07月22日

わがままにプレーさせてこそ真価を発揮する。

ケルンでは11-12シーズンに孤軍奮闘。チーム総得点の48%を叩き出した。(C)Getty Images

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 チームの王様になれなければ、結果を残せないわけではない。3月22日に引退試合(イングランド戦)を戦ったドイツ代表では、歴代3位の130キャップと同4位の49ゴールをマークした。主戦場は4-2-3-1システムの2列目左サイドで、本人が望む中央でのプレーは限られたが、ワールドカップやEUROの本大会で貴重な得点をいくつも挙げてきた。
 
 戦術的な自由を認められない代表チームで躍動できたのは、周囲からの信頼があればこそ。とくに大きかったのがヨアヒム・レーブ監督からの信頼だ。所属クラブで出場機会に恵まれていない時期でも、怪我以外の理由で招集外になった試しはなく、ポドルスキは恩師の期待に結果で応え続けてきた。
 
 レーブ率いるドイツ代表が長らく志向していた“テンポフットボール(ひとりのボール保持時間を原則2秒以内に抑えるサッカー)”が肌に合ったのもポイントのひとつ。ダイレクト/縦志向の強いこの戦術が、スペースを突く能力に長け、ダイナミックにプレーする自身のスタイルにハマったのだ。
 
 もちろん、常に持ち味を引き出そうとしてくれた中盤のコンダクターで、親友のバスティアン・シュバインシュタイガーに加え、抜群のリスク管理能力で守備負担を軽減してくれたフィリップ・ラーム(今夏に現役引退)やサミ・ケディラら同僚に恵まれたのも大きかった。
 
 新天地となるヴィッセル神戸での起用法はまだ不透明だが、ポドルスキが最も好むのは中央でのプレー。そして、自由と信頼を手にした時、破壊力満点のミドルや縦への推進力に富んだドリブルを連発し、スタジアムをおおいに沸かせるはずだ。自己犠牲のスピリットを宿しているわけではなく、ともすれば利己的な選手にも映るが、わがままにプレーさせてこそ、ポドルスキは真価を発揮すると言えるかもしれない。
 
文:遠藤孝輔
※サッカーダイジェスト4月13日号より加筆・転載
 
【ルーカス・ポドルスキPROFILE】
■生年月日:1985年6月4日
■身長・体重:182センチ・83キロ
■国籍:ドイツ/ポーランド
■利き足:左
■経歴:ケルン(2003-06)-バイエルン(06-09)-ケルン(09-12)-アーセナル(12-15)―インテル(15)-ガラタサライ(15-17)-ヴィッセル神戸(17~)
■代表歴:ドイツU-17代表(01-02)、ドイツU-18代表(02―03)、ドイツU-19代表(03-04)、ドイツ代表(04-17)
■国際Aマッチ通算:130試合・49得点
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