筑波大はなぜJクラブを3連破できたのか? 快進撃の舞台裏と指揮官のビジョンに迫る

カテゴリ:Jリーグ

安藤隆人

2017年07月13日

小井土監督とともに突き進んだ、驚異のV字回復。

試合前に笑顔を見せる小井土監督。Jクラブでのコーチ経験を活かしながら、オリジナルの監督像を作り上げた。写真:安藤隆人

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 スタートは順風満帆ではなかった。チームは2014年に屈辱的な関東リーグ2部落ちを経験。その直後に、小井土氏はコーチから監督に昇格したのだ。

 どん底からの再出発にあたっても、指揮官は焦らなかった。「僕はチームを牽引するというより、選手たちにサッカーの知識や見解を深めさせる手助けをして、ピッチ上で自立した選手に仕立てるのが仕事だと思っている」と、あくまで選手たちにとってなにが有益で、どうすればピッチ上で自己判断をしながらプレーできるのかを熟考し、きめの細かい指導を続けた。
 
「僕には健太さんほどのカリスマ性はないので、同じことはできない。でも健太さんは絶対に細かい部分まで妥協せずに指導をして、自分なりの立ち居振る舞いや姿勢は絶対に崩さない。そこは見習いながら、自分なりの監督像を意識しています」
 
 長谷川監督に影響を受けながらも、ただ単に模倣するのではなく、自分の性格、積み上げてきた知見に基づいた、オリジナルの監督像を作り上げた。そのスタイルが徐々にチームに浸透し、やがて選手たちの意識を変えていく。就任1年目で1部復帰を果たすと、翌2016年にはチームを13年ぶりのインカレ優勝に導いた。
 
 指揮官の采配にも選手のプレーにも、いっさいの迷いが感じられない。厚い信頼関係で結ばれたチームがJリーグ勢を3試合連続でなぎ倒した。たしかに望外の快進撃だが、これは決してミラクルではない。
 
「次は間が開きますね。ここで浮かれず、これまで通りに選手たちと接していきます。いま以上に選手たちが自分自身で分析して戦える、そんなチームにしたいんです」
 
 ラウンド・オブ16は2か月後の9月20日。対戦相手はまだ決まっていないが、今度も間違いなくJクラブとなるだろう。
 
 だが、敵がアマチュアの大学生だと思って侮ると、きっと痛い目に遭う。彼らは考えながら戦う、「大人のチーム」なのだから。
 
取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)
 
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