【高円宮杯】浦和ユースが誇るU-17日本代表の大器が、いよいよ本格開花か!?

カテゴリ:高校・ユース・その他

川端暁彦

2017年07月10日

大槻監督の「無言のメッセージ」に応え、ついに“吼えた”!!

6試合ぶりに白星を掴んだ浦和ユース。チームにとっても大桃(後列右から2人目)にとっても大きな勝利となった。写真:川端暁彦

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 大桃の抜けている間に3バックシステムを採用した浦和ユースは、U-19日本代表のCB橋岡大樹をリベロに置き、大桃を右のCBに据える形で今週のトレーニングをスタートさせた。
 
 そんななか、金曜日(7月7日)の練習を終えたときだ。大槻毅監督から少々驚きの提案が大桃になされた。「真ん中のほうがやりやすいんじゃないか?」。翌土曜日、すなわち試合前日の練習は、橋岡と大桃の位置を入れ替えて行なわれた。大桃は指揮官から容赦ないダメ出しを受け続ける。要求された内容はシンプルだ。「声を出せ!!」。
 
 3バックの真ん中、リベロの選手から声を出てこないとなると、チームにとって致命的だ。それでも大槻監督は、あえて大桃にリベロを任せた。開幕戦での白星から勝利がなく、長いトンネルでもがく浦和ユースにとっては博打に近いアクションだったが、指揮官は「殻を破ってみろ」と無言のメッセージを送ったのだ。
 
 これを受け、大桃が“吼えた”。
 
 試合が始まってしばらくすると、観ているこちらも「あれ?」と驚くほどの声が聞こえてくる。いつもは橋岡の大声ばかりが轟いているところに、大桃の声が負けず劣らず響き渡っているではないか。彼が試合前から密かに設定していた目標は、「絶対に(橋岡)大樹くんより声を出す」というシンプルなもので、先輩DFと張り合うように声が出していたのだ。ゲーム終盤、耐え忍ぶ時間帯が続くと、気合いの雄叫びまで飛び出した。
 
「あんな大桃伶音は観たことがない。ビックリした」(大槻監督)
 
 自他ともに認める“黙々タイプ”だった大桃が、ひとつの殻を破った瞬間だった。
 
 結果は2-0の完封勝利。大桃は「跳ね返すプレーには自信がある」と自負するように、体格を活かして防波堤となりつつ、守備中央のリーダーとしてもしっかり存在を示した。試合終了の笛とともに、ピッチ上では第1節以来の白星に歓喜の輪が広がったが、大桃個人にとっても、ターニングポイントとなりそうな一戦だ。
 
 今年は、U-17ワールドカップ出場という大きな目標がある。米国遠征での不甲斐ないプレーに本人は納得しておらず、最後までがむしゃらにアピールを続けるつもりだ。
 
「チームが結果を出せば、きっと観てもらえる」
 
 プレミアリーグEASTの残り試合、そしてまもなく開幕する日本クラブユース選手権(U-18)で、その成長ぶりをU-17日本代表のスタッフに示す覚悟だ。
 
取材・文:川端暁彦(フリーライター)
 
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