ユーベのパラティチSDは電話で懇願したことも。
一方で、最後の最後まで水面下で交渉を進め、ノーマークだった選手の獲得を発表してサプライズ効果を狙うのが好きなタイプもいる。フィオレンティーナのパンタレオ・コルビーノGDはその代表格だ。彼は「もしこの話が表に出たら交渉は破談にする」と代理人に釘を刺したりもするという。他のクラブが介入してきて移籍金が吊り上がったり、横からさらわれたりするのも嫌だからだ。
イングランドでは、マンチェスター・ユナイテッドやアーセナルが水面下で動くことを好むクラブだ。バルセロナやアトレティコ・マドリー、バイエルン・ミュンヘンも、移籍に関してはマスコミへの露出を好まない。
同じことは代理人にも当てはまる。ジョルジュ・メンデス(クリスチアーノ・ロナウド、ハメス、アンヘル・ディ・マリアなどが顧客)やミーノ・ライオラ(ジャンルイジ・ドンナルンマ、ポール・ポグバ、ズラタン・イブラヒモビッチなどが顧客)はスポットライトを浴びるのが好きだが、ヴラド・レミッチ(ルカ・モドリッチのマドリー移籍などを仲介)やファリ・ラマダーニ(ステバン・ヨベティッチなどが顧客)、ジャコモ・ペトラリート(ドイツに拠点を置くイタリア人)はほとんどマスコミの前には出てこない。
いまや移籍マーケットは、メディアとは切っても切り離せない関係にある。私たちマスコミはあらゆる手を使って移籍情報を入手し、それを報じることを仕事にしているし、クラブや代理人の側はそれを承知のうえで動いている。お互いがお互いを利用し合っていると
いう、“持ちつ持たれつ”の関係だ。
私は目先のスクープのために信頼関係を壊すより、すべての関係者と信頼関係を保ちつつ、それがもたらす優位性を活かして仕事をする。それが流儀だ。そのほうがより多くの重要なスクープ情報を手に入れられるし、実際に多くのスクープ報道をモノにすることができるからだ。「信頼関係を守る」、「裏の取れていない嘘の情報は流さない」。この2つは私が最も大事にしているポリシーである。
少し前の話になるが、ユーベが当時マンチェスター・シティに所属していたカルロス・テベスに接触するためにロンドンに飛んだことがあった。私はジュゼッペ・マロッタGDとパラティチSDがテベスと代理人と一緒に食事をしているという情報を、そのレストランのウエイターからのタレコミによって掴んだ。もちろんユーベはシティに許可を得ていたわけではなく、通知すらもしていなかった。
その情報が本当かどうかユーベに確認を取ると、私はパラティチに懇願された。「いまそんな情報を流されたらシティとの関係が壊れてしまう。だから表には出さないでくれ」と。そういう形で移籍交渉が破談になるのは私としても本意ではないし、ユーベとの信頼関係を壊すことにもつながるので、その時には報道はしなかった。
イングランドでは、マンチェスター・ユナイテッドやアーセナルが水面下で動くことを好むクラブだ。バルセロナやアトレティコ・マドリー、バイエルン・ミュンヘンも、移籍に関してはマスコミへの露出を好まない。
同じことは代理人にも当てはまる。ジョルジュ・メンデス(クリスチアーノ・ロナウド、ハメス、アンヘル・ディ・マリアなどが顧客)やミーノ・ライオラ(ジャンルイジ・ドンナルンマ、ポール・ポグバ、ズラタン・イブラヒモビッチなどが顧客)はスポットライトを浴びるのが好きだが、ヴラド・レミッチ(ルカ・モドリッチのマドリー移籍などを仲介)やファリ・ラマダーニ(ステバン・ヨベティッチなどが顧客)、ジャコモ・ペトラリート(ドイツに拠点を置くイタリア人)はほとんどマスコミの前には出てこない。
いまや移籍マーケットは、メディアとは切っても切り離せない関係にある。私たちマスコミはあらゆる手を使って移籍情報を入手し、それを報じることを仕事にしているし、クラブや代理人の側はそれを承知のうえで動いている。お互いがお互いを利用し合っていると
いう、“持ちつ持たれつ”の関係だ。
私は目先のスクープのために信頼関係を壊すより、すべての関係者と信頼関係を保ちつつ、それがもたらす優位性を活かして仕事をする。それが流儀だ。そのほうがより多くの重要なスクープ情報を手に入れられるし、実際に多くのスクープ報道をモノにすることができるからだ。「信頼関係を守る」、「裏の取れていない嘘の情報は流さない」。この2つは私が最も大事にしているポリシーである。
少し前の話になるが、ユーベが当時マンチェスター・シティに所属していたカルロス・テベスに接触するためにロンドンに飛んだことがあった。私はジュゼッペ・マロッタGDとパラティチSDがテベスと代理人と一緒に食事をしているという情報を、そのレストランのウエイターからのタレコミによって掴んだ。もちろんユーベはシティに許可を得ていたわけではなく、通知すらもしていなかった。
その情報が本当かどうかユーベに確認を取ると、私はパラティチに懇願された。「いまそんな情報を流されたらシティとの関係が壊れてしまう。だから表には出さないでくれ」と。そういう形で移籍交渉が破談になるのは私としても本意ではないし、ユーベとの信頼関係を壊すことにもつながるので、その時には報道はしなかった。