「プロ入りも危うかった」鎌田大地がドイツ移籍を勝ち取るまでの成長物語

カテゴリ:Jリーグ

サッカーダイジェスト編集部

2017年06月22日

海外クラブとコネクションのある代理人と契約する。

プロ2年目の鎌田は7ゴールを挙げるなど得点力も開花。鳥栖のトップ下に定着した。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト 写真部)

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 プロ1年目に首脳陣の期待以上の活躍を見せ、A契約選手としての条件を満たした鎌田。この時点ですでに、幼いころからの夢でもあった海外移籍への想いをさらに募らせていく。同時期には海外クラブとの強いコネクションを持つ代理人と契約するなど、自らの夢を叶えるべく動き出す。そして、ピッチでもさらなる飛躍を誓うのだ。
 
 残念ながら恩師の森下監督はチームを去ってしまったが、その後任となったマッシモ・フィッカデンティ監督の下、プロ2年目の2016年シーズンもレギュラーに君臨。28試合で7ゴールとフィニッシャーとしての才能も開花させた。

 とはいえ、同年には再び挫折も味わっている。U-23代表の一員として5月にトゥーロン国際大会に参加したが結果を残せず、リオデジャネイロ五輪の最終メンバーに食い込めなかったのだ。チーム中では下の世代だったとはいえ、悔しい想いをした。
 
 それでも飛躍的な成長を遂げてチームの主力となった鎌田に対して鳥栖は、オフに新たに2年契約を提示。本人は海外クラブからの話を3月まで待ったが正式オファーは届かず、結局は残留を決断している。
 
 そして、3年目も引き続き鳥栖のトップ下として活躍。そうした中で前述した代理人の働きもあって、ブンデスリーガのフランクフルトから正式オファーが届くに至った。契約が残り1年半のため、違約金と育成費を合わせて計2億円が提示されているという。
 
 現時点で公式リリースは出ていないが、6月21日の松江シティ戦(天皇杯2回戦)を前に竹原社長が「近く正式に発表して会見する」と認めたことで、もはや今夏の移籍は決定的となった。
 
 かねてから海外移籍への想いを口にしていた鎌田は、今オフにドイツやスペインに渡って試合を視察し、自身のモチベーションを高めていた。今年5月には一般女性と結婚。フランクフルトには長谷部誠もいるだけに、生活面の心配も少ない。
 
 G大阪ユースに昇格できず、Jクラブ入りも危うく、リオ五輪行きも逃した鎌田は、それでも不屈の精神、そして何よりも技術と閃きで自らの道を切り開いてきた。
 
 欧州初挑戦でフランクフルトの一員としていかなるプレーを見せてくれるのか、楽しみでならない。
 
文:サッカーダイジェストWEB編集部
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