「プロ入りも危うかった」鎌田大地がドイツ移籍を勝ち取るまでの成長物語

カテゴリ:Jリーグ

サッカーダイジェスト編集部

2017年06月22日

鳥栖だけがポテンシャルを評価し複数回の練習参加を打診。

攻撃センスが特長の鎌田。ここにきて鳥栖からフランクフルトへの移籍が濃厚となっている。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 サガン鳥栖のMF鎌田大地は、1996年8月5日に愛媛県で生まれた。早くからその才能を開花させ、小学6年生の時には全国制覇を経験。そして、中学は故郷を離れてガンバ大阪ジュニアユースに進み、U-13のJリーグ選抜にも選出された。
 
 誰もがその才能に惚れ込み、将来を嘱望された鎌田は、20歳を迎えたここにきてフランクフルト移籍が濃厚となり、一気に注目度が上がっている。
 
 しかし、これまでのキャリアはすべてが順風満帆とは言えなかった。怪我の影響もありG大阪ユースには昇格できず、京都の東山高校(京都)に進学した。
 
 チーム自体は強豪高とは言えなかったが、個のポテンシャルは順調に開花し、3年時には複数のJクラブで練習参加。古巣のG大阪からも呼ばれた。しかし、結局はどこからも正式オファーを勝ち取れなかった。
 
 プロフットボーラーという夢が潰えようとしていたなか、しかし、鳥栖だけは違った。他クラブの練習参加はすべて1回のみだったが、鳥栖だけは試合見学なども含め、その後も複数回呼び寄せている。
 
「一度くらいの練習参加だけでは彼の良さは見抜けない」
 
 当時を知る関係者はそう語る。その言葉通り、鎌田は鳥栖のトレーニングで回数を重ねるごとに持ち前の攻撃センスを発揮し始める。そして、2年契約の正式オファーを提示され、2015年シーズンからの加入が決定。ギリギリでプロ入りを勝ち取った。
 
 ここまでの物語ならば、才能がある選手の若かりし頃の契約苦労話で終わるのだが、その後に鎌田を大きく成長させた出会いがあった。
 
 大きな存在だったのが、2015年から鳥栖監督に就任した森下仁志(現ザスパクサツ群馬監督)だ。鳥栖のサッカーを形作るとともに若手の育成にも力を注いだ指揮官との出会いが、鎌田の才能を一気に開花させることになる。
 
 余談ではあるが、今や鳥栖の中心選手として活躍する福田晃斗も、森下監督の徹底的な指導で大きく成長したひとりだ。
 
 森下監督の寵愛を受けた18歳の天才司令塔は、加入年度の11節・松本山雅FC戦で、Jデビュー戦でゴールという鮮烈なパフォーマンスを見せる。そのままコンスタントに出場機会を確保し、1年目は21試合で3ゴールという成績を残した。同年8月にはU-22日本代表のトレーニングキャンプにも招集された。
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