「いまのままじゃ、絶対に日本一にはなれない」。
2006年にインターハイで日本一に輝いたこともある広島観音だが、近年は広島皆実と瀬戸内の陰に隠れがちで、全国の舞台から遠ざかっていた。
インターハイが地元で開催され、出場枠がふたつだった昨年は、復権を印象づける絶好のチャンスだったが、予選3回戦で敗退。主力の多くが去った今年は、「昨年のほうが選手の質が良くて、今年は谷間の世代。手応えはまったくなかったし、選手には這いつくばって頑張るしかないと言ってきた」(内田監督)という。
2月の県の新人大会も、準決勝敗退。それでも日本一を目標に掲げる選手たちに対し、内田監督は「お前ら本当にそう思っているのか? 口で言っているだけではダメなんだぞ。新チームになってすぐに周囲のひとから、『日本一は無理だ』と言われて、どうなんだ。ちょっとでも日本一に近づこうとか、しがみついてでもやろうという気持ちを持たないとダメだ」と諭した。
この一件を機に、「それまではちょっと緩い空気があったけど、練習でも試合でも100%を出し切ることを意識するようになった」(山口)
今予選は、そうした日々の積み重ねが結果という形で表われた。福山明王台との初戦は1-0ので辛勝。呉工との3回戦こそ3-0で快勝したが、準々決勝は広島国際学院に先制点を許しながら、延長戦でなんとか逆転勝ちを収めた。
前日の準決勝は山陽を相手に2点を先行したが、1点を返され、肝を冷やす展開で、「楽勝なゲームは一度もなかった」(内田監督)。それでも、「諦めない気持ちが今回の結果に繋がったと思う。諦めない気持ちはどのチームにも負けないし、何点取られても、粘り強く戦い続けるのが特徴だと思う」と山口が胸を張るように、最後まで全力で勝利を目ざした結果、全国行きの栄誉を掴んだ。
「いまのままじゃ、絶対に日本一にはなれない」。試合後、内田監督はきっぱりそう言い切った。全国では間違いなく、厳しい戦いが待ち受けるだろうが、その一方で、最後まで諦めない気持ちが持ち味の彼らなら、「もしかしたら……」という気持ちも抱かせる。
元王者・広島観音。10年ぶりのインターハイで旋風を巻き起こすか。
取材・文:森田将義(フリーライター)
インターハイが地元で開催され、出場枠がふたつだった昨年は、復権を印象づける絶好のチャンスだったが、予選3回戦で敗退。主力の多くが去った今年は、「昨年のほうが選手の質が良くて、今年は谷間の世代。手応えはまったくなかったし、選手には這いつくばって頑張るしかないと言ってきた」(内田監督)という。
2月の県の新人大会も、準決勝敗退。それでも日本一を目標に掲げる選手たちに対し、内田監督は「お前ら本当にそう思っているのか? 口で言っているだけではダメなんだぞ。新チームになってすぐに周囲のひとから、『日本一は無理だ』と言われて、どうなんだ。ちょっとでも日本一に近づこうとか、しがみついてでもやろうという気持ちを持たないとダメだ」と諭した。
この一件を機に、「それまではちょっと緩い空気があったけど、練習でも試合でも100%を出し切ることを意識するようになった」(山口)
今予選は、そうした日々の積み重ねが結果という形で表われた。福山明王台との初戦は1-0ので辛勝。呉工との3回戦こそ3-0で快勝したが、準々決勝は広島国際学院に先制点を許しながら、延長戦でなんとか逆転勝ちを収めた。
前日の準決勝は山陽を相手に2点を先行したが、1点を返され、肝を冷やす展開で、「楽勝なゲームは一度もなかった」(内田監督)。それでも、「諦めない気持ちが今回の結果に繋がったと思う。諦めない気持ちはどのチームにも負けないし、何点取られても、粘り強く戦い続けるのが特徴だと思う」と山口が胸を張るように、最後まで全力で勝利を目ざした結果、全国行きの栄誉を掴んだ。
「いまのままじゃ、絶対に日本一にはなれない」。試合後、内田監督はきっぱりそう言い切った。全国では間違いなく、厳しい戦いが待ち受けるだろうが、その一方で、最後まで諦めない気持ちが持ち味の彼らなら、「もしかしたら……」という気持ちも抱かせる。
元王者・広島観音。10年ぶりのインターハイで旋風を巻き起こすか。
取材・文:森田将義(フリーライター)