【セルジオ越後】U-20W杯で大きな宿題を残した日本。いまA代表に一番近いと考える選手は…

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェスト編集部

2017年06月12日

ひとりだけオーバーエイジ選手のような振る舞いを見せていた。

最終ラインを統率した中山は、今後A代表にも絡んできそうな素材だ。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

画像を見る

 ワールドカップのような世界大会では、しぶとく勝ち上がり、ひとつでも多くの試合を経験することが重要になる。その考え方は間違っていない。でも、引き分け狙いで、勝利にこだわらない姿勢はいかがなものか。

 もし彼らが、2-2のドローで、3位抜けに満足しているのなら、この先の成長は難しいと感じるよ。今後、“勝たなくてはいけない試合”を迎えた時に、イタリア戦のような弱気なメンタリティは足枷になるはずだ。
 
 一方、個々のパフォーマンスに目を移せば、CB中山のプレーが光ったね。ボールを奪えるし、左足での正確なフィードでゲームも作れる。それにどんな状況でも非常に落ち着いていた。相手のプレスを上手くいなし、ひとりだけオーバーエイジ選手のような振る舞いをしていたよ。A代表のCB争いは、6月のシリア戦、イラク戦では、森重がメンバー外になるなど混沌としているだけに、今後は彼にも十分チャンスがあるんじゃないかな。
 
 翻って、注目された久保は、南アフリカとの大会初戦でまずまずのプレーを見せたが、ウルグアイ戦やベネズエラ戦では、厳しいマークに苦しめられた。15歳で身体ができ上がっていないこともあり、バランスを崩されるシーンが目立った。正直、期待したほどの輝きは放てなかったよ。
 
 もっとも、彼に関してはメディアが持ち上げすぎたというエクスキューズもある。テレビはベンチに座る久保を何度も映し、ゴールを奪ったわけじゃないのに、新聞や雑誌も大きく取り上げた。メンタル面も未熟なはずだから、感情のコントロールは難しかったんじゃないかな。その点はメディアも反省するべきだよ。ただ、彼にはこの大会を良い経験にし、さらに逞しくなってもらいたいね。
 
 久保にしても、他のメンバーにしても今後の目標はクラブでレギュラーを掴むことだ。「よくやった」なんて言葉はなんの慰めにもならないよ。東京五輪ではこの世代がチームの中心を担うわけだから、Jリーグで奮起してもらいたい。
 
【関連記事】
【コラム】想像を超える10代の成長曲線。久保建英がロシアW杯に間に合う可能性は?
【U-20W杯】得点王は日本戦でゴールを奪ったあの男。ホテルで乱闘騒ぎの2チームの選手は表彰式で…
【U-20W杯】マラドーナ、メッシ、アグエロ、ポグバ…錚々たる名前が並ぶ大会MVPに輝いたソランキとは?
【イラク戦|予想布陣】負傷離脱した香川の代役は!? 本田のインサイドハーフ起用は“アリ”だ
【シリア戦|動画&記事一覧】解説:セルジオ越後、釜本邦茂、本田や今野の想い、プレー分析、採点&寸評 美女サポ、PHOTOギャラリー etc.

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ