【ミラン番記者】「キャプテン本田圭佑」の真実。懸命な姿勢はクラブ史に刻まれた

カテゴリ:海外日本人

マルコ・パソット

2017年05月31日

「モンテッラの“施し”を本田は拒むべきだった」との声もあったが…。

ミランで3年半を過ごした本田(左)を支えたのが、モントリーボ(右)だった。その真摯な姿勢を事あるごとに称賛した。(C)Getty Images

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 それに比べれば常にチームのことを考え、いつも真面目にトレーニングをしてきた本田は、よっぽどその価値があるだろう。ある者は「このモンテッラの“施し”のような決定を本田は拒むべきだった」とも言うが、彼はプロフェッショナルとしてそれを受け入れたのだと思う。これまで見せてきたプロ魂を最後の最後に裏切る必要はない。
 
 本田が最後に、そして今シーズン唯一の先発だった10節のジェノア戦は、個人としてもチームとしても散々な内容だった。本田は攻守で精彩を欠いたうえに失点に絡んで途中でベンチに下げられ、ミランも0-3で惨敗した。
 
 昨年10月25日のこの一戦以降、モンテッラは二度と本田をスタメンに入れなかった。だから最終節の試合前にピッチ中央でコイントスをし、相手キャプテンとペナントを交換する本田の姿を見るのは、何かものすごく不思議な気がした。試合前にもミランTVのインタビューに答え、今後のことも自らの言葉で語った。
 
「どうするかはまだ決めていません。しかし、とにかくもう3年半が経ったなんて、時のすぎる速さには驚きを隠せません。いま僕は幸せですし、このユニホームを纏ってプレーしたことに誇りを感じています。すべてのサポーターそしてチームメイトに感謝しています。とにかく僕はただただ幸せです。キャプテンマーク? モンテッラのこの決定に敬意を表わします。でも、一番大事なのは僕がミランに来たその日から、変わることなく見せてきたプロフェッショナル精神だと思います」
 
 本田はいつでもどこでも紳士の対応だ。問題も起こさない、ほとんど愚痴もこぼさない。少なくとも公の場では。あれだけのキャリアを持ち、代表チームでも中心を担ってきた選手がずっとベンチに置かれ、不満が噴出しないなどイタリアではほとんどありえない。
 
 ただ唯一の反抗心が垣間見えるとしたら、それはここ2週間の彼の発言の中に、一度もクラブや監督に対する感謝の言葉がないことだろう。本田は常に「ミラニスタに感謝する」と繰り返してきた。あるいは最大譲歩して数人のチームメイトへの感謝まで。今シーズンの苦境を考えればそれもうなずける。
 
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