真のストライカーへ――磐田の名波監督が小川航基に与えたU-20W杯でのノルマとは

カテゴリ:Jリーグ

サッカーダイジェスト編集部

2017年05月16日

「甘さがある状態でピッチに送り出すことは避けたいと思っていた」

小川の成長ぶりを語った磐田の名波監督。小川にはU-20W杯でのノルマも課した。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

画像を見る

 磐田に加入した直後から、小川は居残り練習で名波監督のマンツーマン指導を受け、パスを引き出すための、あるいは味方と連動して相手守備を崩すための動きを磨いてきた。
 
「動き出し、動き直し、自発的にアクションを起こす動き、味方の動きに反応したリアクションの動き。つまりオフの動きがいかに重要かということが分かってきて、動き全般が良くなっている。自分から動き出す回数も、いったんボールを収めて人を使いながらゴール前に入っていく場面も増えている。ボックス(ペナルティエリア)内で動きを止めないという意識も非常に強くなった」
 
 小川航が最も成長した点について問われた名波監督は、そう答えている。
 
 前線での身体を張ったキープ力やポストプレーに加えて、クレバーかつ連続性のある動きを身につけてきていることの成果は、相手に与える “怖さ”に表われている。リーグ戦ではまだ得点はないが、ゴール前でのアグレッシブな動きで、名うてのDFたちを引きつけるシーンが目立つようになった。
 
 5月12日、ヤマハスタジアムでU-20日本代表として臨んだ磐田との練習試合では、ゴールを挙げた。25分、味方のシュートをGKが弾いたこぼれ球を押し込んだ。
 
「よく詰めたな。素晴らしい」
 試合後、相手監督にそう声をかけられたという小川航は、「今の自分の持ち味は、ゴール前で動きを止めないこと。そこから生まれた得点だったと思います」と、この試合の決勝点を振り返った。
 
 高卒の逸材を預かる名波監督には、矜持がある。
「高校を出てすぐに試合に出て2、3点取ってその後消えてしまった選手も多い。甘さがある状態でピッチに送り出すことは避けたいと思っていた。彼は今後、日本の宝、日の丸を背負って立つストライカーになるだろうということを意識して育てなければならないという使命感もある。軽はずみな使い方はしないということは彼にも伝えてある。来るべき時が来たら使おうと。今、その状況になってきている。ワールドカップの舞台は自分で掴んだチャンス。ここからは自分の思想を含めながら成長し、大きく羽ばたいていってほしい。120点の答えを出してチームに帰ってきてくれることを期待している」
 
 名波監督が小川航に与えたU-20ワールドカップでのノルマは、『1試合1点以上、シュート5本以上』だ。
 
「やってやろうと思います。1点ではなく、1試合で2点、3点取りたい」
 
 14日のホンジュラス戦でもゴールを決め、今季のU-20日本代表での試合では7戦8発と波に乗る。さらなる爆発が期待される若きストライカーは、磐田で身につけた力と自信をひっさげ、世界の舞台に挑む。
【関連記事】
【U-20代表】小川航基がまたもひと仕事! エースの自覚が呼び込んだゴールは「良い形だった」
久保建英は、具体的に何が凄いのか? 今さら聞けない逸材の真価とは
久保は「ジョーカー」ではなくファーストチョイス? 「小川&久保」の2トップが意味したもの
いきなり欧州挑戦も!? Jスカウトが争奪戦を繰り広げるU-17日本代表の大器
【U-20代表】エース小川の先制弾など3ゴール!! W杯前最後の実戦でホンジュラスを下す

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ