U-20のエースは俺だ! 小川航基が見せた粘りのマッチアップと最低限の仕事

カテゴリ:Jリーグ

安藤隆人

2017年05月04日

「エースなんだと証明できるように」

再三渡り合った中山とのマッチアップでは劣勢を強いられた。しかし小川は継続する姿勢を貫き、柏に重圧を与えた。(C) J.LEAGUE PHOTOS

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 そして名波監督は、援護射撃をするように65分にMF針谷岳晃に代えてMF川辺駿を、72分にはMFアダイウトンに代えてFW齊藤和樹を投入。川辺と齊藤が小川を前向きにサポートするようになったことで、磐田の攻撃は活性化されていく。
 
 76分に左サイドを突破した齊藤の折り返しを川辺がダイレクトで蹴り込み、同点に追いつくと、冒頭でのシーンがやってくる。ペナルティエリア内のハンドでPKが宣告されると、小川は真っ先にボールの下に駆け寄り、ボールを抱えてペナルティスポットに向かった。
 
「常に(PKは)自分に蹴らせてほしいと言っているし、チームも了承してくれているので、本当に感謝をしています」と、迷うことなくキッカーに名乗り出て、冷静にGKの逆を突いて決めてみせた。
 
「個人としてはまったく満足できない内容です。点を決めたと言ってもPKですし、流れの中で相手の強烈なアタッカーのようにきっちりと仕事ができる選手にならないと。個人の能力はまだまだ低いと痛感しましたし、もっと周りに強く要求してゴールに直結する動きをするべきだった」
 
 試合後、反省の弁を述べたように、ゴールを決めたこと意外は、決して躍動したわけではなかった。しかし、「それまで何もしていないのに、最後にPKでもゴールを決めることができた。重要なのは勝ちを掴むこと。それにつなげられたのは良かった」と、どんな状況でもゴールを目指し続け、きっちりと結果を残す。FWとしての最低限の仕事はできた。
 
 名波監督も「結果的にPKを決めてくれましたし、彼は最後の方は相手の脅威になったと思う」と、その姿勢を評価。U-20日本代表のエースストライカーとしての面目は保った。
 
「(堂安)律だったり、同年代で活躍している選手はたくさんいるので、それに負けないように、自分が(U-20日本代表の)エースなんだということを証明できるように、僕のゴールで勝利に導いて、いい状態でU-20ワールドカップに臨みたい」
 
 世界の檜舞台まであとリーグ戦1試合、ルヴァンカップ1試合の2試合のみ。良い形でU-20ワールドカップの躍動につなげるべく、小川はより貪欲にゴールを目指し続ける。
 
取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)
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