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【指揮官コラム】鹿児島ユナイテッドFC監督 三浦泰年の『情熱地泰』|プロサッカー文化と「あの騒動」を考える

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェストWeb編集部

2017年05月02日

サッカーの世界では文化的に起こり得る出来事。

千葉対徳島戦で起きた騒動には、三浦監督も関心を寄せる。(C) J.LEAGUE PHOTOS

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 日本でサッカー文化は根付くのか? そんなことを今回のコラムで考えていた矢先、週末のJリーグから感じたことがひとつあった。
 
 J2のジェフ千葉対徳島ヴォルティス戦で起きたボールボーイ騒動の一件である。
 
 僕が読んだ記事は、退場となった選手をそしてボールボーイに液体(アルコールとも言われている)を掛けたサポーターを非難する内容だったが、プロサッカー文化が根付いているリーグでは少し違う取り上げ方をするであろう。
 
 退場になった選手や、液体を掛けた人間に対してよりも、むしろボールボーイの話題がクローズアップされるはずだ。ブラジル、アルゼンチンなら即座に反応があるだろう。
 
 僕はその映像を見る前にスタッフに確認した。ボールボーイは誰だ?と。
 
 千葉のユース選手だと聞いたが、彼はどんな選手なのか、どんな指導者がどんな事を教えているのか? ユースチームはトップと一貫した考え方を常日頃から取り入れているのか? そうしたことにまで思いを馳せてみた。
 
 彼は意図的にせよ、そうではなかったにせよ、ボールを徳島の選手にすぐに渡さなかった。後半1-0でリードしている千葉のボールボーイがやった行為ではない。残り時間が少なければ、意図的と取られてもおかしくないが、それを前半10分過ぎにやったボールボーイ。
 
 もちろん、ただボーッとしていただけかもしれないし、どちらのチームのボールか判断がつかなかったのかもしれないし、あるいはかなり戦術理解の高い選手だったのかもしれない(笑)。記者にも事情に気づいている人は、たくさんいるのかもしれないが……。
 
 ただ、どうしても手を出したほうが悪く、「処分は?」と退場になった選手に視線は注がれる。
 
 仮に、ボールボーイが狙いを持ってボールの供給を遅らせたのであれば、チェアマンの掲げる3つの約束を最初に犯したことになるが、ただ日本ではそのようなアマチュアの少年を罰したり、公に批判したりする文化は当然ない。
 
 仮定の話ばかりしてしまったが、ただこうしたことはサッカーの世界では、いわば“文化的”に起こり得る出来事だと思う。
 
 それにしても、僕が興味があるのはボールボーイのサッカー少年だ。彼がユースで10番を付け、中心選手であったらと……、なぜかそうあってほしいと思ってしまう。
 
 そして、間違いなく登録選手ではない彼は、試合展開に少なくない影響をもたらし、勝点3の行方に関わったことになる。
 
 それがサッカー的、つまり“プロサッカー文化”的な表現なのかもしれない。
 
2017年5月1日
三浦泰年
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