最後は、円満離婚だった。
小学生時代から在籍する柏への愛着と愛情は、簡単に揺らぐものではない。だが、現実としてトップチームの前線は強力な外国籍選手と補強選手によって固められるのが、常でもある。
柏への愛着とは別に、自分には自分の人生があって夢があるのだ。親に相談を持ちかけると、すぐ移籍先探しへ「動き出してくれた」(中村)。その流れのなかで、神谷優太(東京ヴェルディユース→青森山田→湘南ベルマーレ)という先例がある青森山田が浮上し、電撃移籍へと至った。
柏側にとっては、当然ながら驚きの申し出だった。幼少期から中村を知る柏U-18の芳賀敦コーチは「ビックリした」と率直に語りつつ、こう語った。
「もう8年も柏にいる選手だし、まるで熟年夫婦のように『言葉で伝えなくても分かってくれるだろう』とお互いに思ってしまい、すれ違いになっていた部分もあったと思う。柏にいたらプロになれない、高校に行くことで選択肢を広げたいと思わせてしまったのなら、僕らの側の問題でもある」
柏にとっても苦渋の出来事だったが、「無理矢理に止める権利はないし、逆に特別扱いをすることもできない」(芳賀コーチ)のも当然。引き留めるために2種登録して背番号を与えてしまうなどあり得ないわけで、柏のスタッフは最終的に、「頑張ってこいよ」と中村の背中を押した。移籍手続きの段で中村の足を引っ張るようなこともなく、むしろ最速の対応で、プレミアリーグ開幕に間に合うように柏側も動いたのだ。
そんな柏に対して「ここまで良い思いをたくさんさせてもらえたのも、柏にいたから。本当に感謝している」という中村の言葉は、これも本音だろう。熟年夫婦のたとえに従うなら、最後は円満離婚だった。
柏への愛着とは別に、自分には自分の人生があって夢があるのだ。親に相談を持ちかけると、すぐ移籍先探しへ「動き出してくれた」(中村)。その流れのなかで、神谷優太(東京ヴェルディユース→青森山田→湘南ベルマーレ)という先例がある青森山田が浮上し、電撃移籍へと至った。
柏側にとっては、当然ながら驚きの申し出だった。幼少期から中村を知る柏U-18の芳賀敦コーチは「ビックリした」と率直に語りつつ、こう語った。
「もう8年も柏にいる選手だし、まるで熟年夫婦のように『言葉で伝えなくても分かってくれるだろう』とお互いに思ってしまい、すれ違いになっていた部分もあったと思う。柏にいたらプロになれない、高校に行くことで選択肢を広げたいと思わせてしまったのなら、僕らの側の問題でもある」
柏にとっても苦渋の出来事だったが、「無理矢理に止める権利はないし、逆に特別扱いをすることもできない」(芳賀コーチ)のも当然。引き留めるために2種登録して背番号を与えてしまうなどあり得ないわけで、柏のスタッフは最終的に、「頑張ってこいよ」と中村の背中を押した。移籍手続きの段で中村の足を引っ張るようなこともなく、むしろ最速の対応で、プレミアリーグ開幕に間に合うように柏側も動いたのだ。
そんな柏に対して「ここまで良い思いをたくさんさせてもらえたのも、柏にいたから。本当に感謝している」という中村の言葉は、これも本音だろう。熟年夫婦のたとえに従うなら、最後は円満離婚だった。