【高円宮杯】中村駿太が明かした電撃移籍の真相。「このままじゃトップに上がれない」

カテゴリ:高校・ユース・その他

川端暁彦

2017年04月10日

最後は、円満離婚だった。

浦和ユース戦では切れのある動きを連発し、公式戦初ゴールもゲット。だがチームは守備がぴりっとせず、大逆転負けを喫した。写真:田中研治

画像を見る

 小学生時代から在籍する柏への愛着と愛情は、簡単に揺らぐものではない。だが、現実としてトップチームの前線は強力な外国籍選手と補強選手によって固められるのが、常でもある。

 柏への愛着とは別に、自分には自分の人生があって夢があるのだ。親に相談を持ちかけると、すぐ移籍先探しへ「動き出してくれた」(中村)。その流れのなかで、神谷優太(東京ヴェルディユース→青森山田→湘南ベルマーレ)という先例がある青森山田が浮上し、電撃移籍へと至った。
 
 柏側にとっては、当然ながら驚きの申し出だった。幼少期から中村を知る柏U-18の芳賀敦コーチは「ビックリした」と率直に語りつつ、こう語った。
 
「もう8年も柏にいる選手だし、まるで熟年夫婦のように『言葉で伝えなくても分かってくれるだろう』とお互いに思ってしまい、すれ違いになっていた部分もあったと思う。柏にいたらプロになれない、高校に行くことで選択肢を広げたいと思わせてしまったのなら、僕らの側の問題でもある」
 
 柏にとっても苦渋の出来事だったが、「無理矢理に止める権利はないし、逆に特別扱いをすることもできない」(芳賀コーチ)のも当然。引き留めるために2種登録して背番号を与えてしまうなどあり得ないわけで、柏のスタッフは最終的に、「頑張ってこいよ」と中村の背中を押した。移籍手続きの段で中村の足を引っ張るようなこともなく、むしろ最速の対応で、プレミアリーグ開幕に間に合うように柏側も動いたのだ。
 
 そんな柏に対して「ここまで良い思いをたくさんさせてもらえたのも、柏にいたから。本当に感謝している」という中村の言葉は、これも本音だろう。熟年夫婦のたとえに従うなら、最後は円満離婚だった。
【関連記事】
【高円宮杯】市立船橋の悩める“新10番”。ボランチ起用で新境地開拓なるか
【高円宮杯】浦和ユースが青森山田に大逆転勝ち!東福岡と広島ユースはドロー発進
久保建英が鮮烈FK弾など躍動! プレミアリーグEAST & WESTの開幕全5試合を詳報!
桐光学園の新10番を担うのは、U-15日本代表のスーパールーキー
【詳報】なぜ新天地に青森山田を選んだのか。中村駿太が、その想いのすべてを語る

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ