【現地発】痛恨ミスのドンナルンマ…それでも「ブッフォンの後継者」たりうる理由とは?

カテゴリ:メガクラブ

片野道郎

2017年04月04日

GKにもっとも必要な能力はミスを「リセット」すること。

ブッフォン(右)もドンナルンマ(左)には大きな期待を寄せる。イタリア代表のゴールマウスはしばらく安泰だ。(C)Getty Images

画像を見る

 良く言われることだが、GKにとって最も重要な資質は、体格(身長の高さや手の長さ)でもフィジカル能力(瞬発力、反応性、アジリティー)でもなく、犯したミスをすぐに忘れて気持ちを切り替えるリセット能力だという。
 
 ひとつのミスにくよくよこだわっていると、次の守備機会に冷静沈着に対応できなくなる。そこでさらにミスを犯すというのは、最悪の展開だ。ミスを犯しても平然とし、自らの内面も外から見える振る舞いも変えず、何事もなかったようにプレーを続ける図太さは、偉大なGKになるうえで絶対に欠かせない資質なのだ。
 
 今年2月にやっと18歳になったばかりであるにもかかわらず、ドンナルンマがミランの正GKとして絶対的な信頼を集め、イタリア代表においてすら先のオランダ戦(親善試合)で先発出場するなど、すでに誰もが認めるジャンルイジ・ブッフォンの後継者としての地位を確立している最大の理由も、まさにそこにある。
 
 196センチ・90キロという体格、爆発的なパワーと反応性、そしてすぐれたアジリティーを備えたフィジカル能力の高さは、たしかに折り紙付きだ。セービングやデフレクティング、パンチング、ステップワークといった基本技術も高いレベルにある。
 
 しかし、ポジショニング、読み、飛び出しの判断やタイミングといった戦術的な側面に関しては、まだまだ向上の余地があるというのが現在の評価だ。
 
 にもかかわらず、ドンナルンマがマスコミだけでなくイタリア代表のテクニカルスタッフを含めた専門家の間でも絶対的な信頼を獲得しているのは、ミスに対する耐性の強さ、逆にスーパーセーブを決めた時にも感情を過度に昂ぶらせたりすることなく、落ち着きと冷静さを保ってプレーできる傑出したメンタルの強さとパーソナリティーがあるから。事実、このペスカーラ戦でも、失点直後を除けば動揺の表情すら見せることなく集中して戦い、数少ない守備機会を落ち着いてこなした。
【関連記事】
「神からGKに指名された」ドンナルンマを先輩が大絶賛! 退団説ではミランに警報…
「ヴァーディーはイビサ島に逃げる寸前だった」レスター指揮官が過去の秘話を明かす
日本サッカーを彩る「美女サポーター」たちを一挙に紹介!
懲りないオーバメヤン…2度目の背信行為で怒りのドルトムントから罰金処分
インテルのCL復帰は絶望的に…指揮官は致命的ミスを糾弾し、イカルディは白旗宣言

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト いよいよ大詰め!
    4月4日発売
    アーセナル、リバプール、
    マンチェスター・シティ
    プレミア3強 徹底解剖
    歴史的な三つ巴は最高潮へ!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ