たとえ本田が万全でも――右ウイングのファーストチョイスは「久保裕也」であるべき理由

カテゴリ:日本代表

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2017年03月29日

久保が最も多く口にしたフレーズは「まだまだ」。

電光掲示板に映る「3-0」のスコア。そのすべてのゴールを演出した久保(14番)は、「結果に絡めて良かった」と静かに喜びを語っていた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 また久保は同誌のインタビューで、オマーン、サウジアラビアと戦った昨年の11月シリーズを振り返り、「少し浮いているのかな、という感じはありました」と語っている。
 
 4-0の完勝を収めたタイ戦を終えると、その心境に変化が生まれていた。
 
「前回よりは、徐々に馴染めてきているかな、と。ただ、プレー面も含めて、もっともっとフィットできると思います」
 
 誰もが認めるハイパフォーマンスを見せても、本人は少しも満足していない。むしろ、その存在感を高めるほど、さらに活躍するための材料を見出そうとする。
 
「崩しの部分も、回しの部分も、もっと良くなる。改善点はいろいろあります」
 
「足もとでもらうのもそうだし、裏への抜け出しも、タイミングが合ってくれば、もっとチャンスは作れるはず」
 
 UAE、タイとの2連戦を通じて、本人は「目に見える結果が出たので、すごく良かった」と安堵するが、「これからかな、という感じです」とさらなる高みを目指す。
 
 代表の右サイドでのプレーイメージも、それなりに固まってきていると言う。ただ、記者とのやり取りで久保が最も多く口にしたフレーズは「まだまだ」だった。
 
「もっとピッチで存在感を出せるようになりたいし、中心的な選手になりたい。そういう意味では、まだまだ」
 
 ハリルホジッチ監督からは「質と決定力の高さを見せてくれた」と評価される一方で、「終盤に消える時間がある。フィジカルコンディションを上げるように要求している」と注文をつけられた。
 
 所属するヘントでは、今後は4月から5月にかけて、来季のチャンピオンズ・リーグやヨーロッパリーグへの出場権、そしてリーグ優勝を賭けてプレーオフが待っている。
 
 スリリングな戦いにその身を投じ、間違いなく逞しさを増すであろう久保は、次の代表活動となる6月シリーズ(シリアとの親善試合、イラクとの最終予選)でも、際立つプレーを見せてくれるに違いない。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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