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【松木安太郎】久保の台頭は大収穫!問題はミスが目立った中盤、相手がタイじゃなかったら…

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェストWeb編集部

2017年03月29日

本田の実力は分かっている。新戦力を試したほうが、チームにはプラスだ。

本田よりも優先してテストすべき選手がいたのでは? 写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 ただ、DF出身者としては、選手の気持ちも分かる。やっぱりビルドアップに対するプライドがあるから。闇雲に蹴っているばかりだと、違うことがやりたくなるのが選手の心情。ただ、それが悪い方向に働いて怖い時間があったのは問題だよ。
 
 そんななかでも、4点を取れたのは素晴らしかった。なかでも久保は抜群だったね。岡崎も原口も、立ち上がりからしっかりプレーしていたけど、久保の仕事はチームの大きな力になっていた。
 
 縦パスをきっちりと懐に収め、ドリブルで相手を引き付けてから、狙いを持ってクロスを上げる。アバウトではなく、きっちり中央の選手を確認してパスを出していたのは好印象だった。
 
 しかも、ゴールシーンも秀逸。日本の悪い流れを断ち切るように、ワンチャンスを決めきったんだ。
 
 サイドからスルッと中央に入ってきて、何気なくシュートを打つ。いつも自分がやっているプレーをするような顔をして、中央に入ってきた時に確実に仕留める。
 
 受け方も上手かったし、シュートも素晴らしかった。久保をフリーにした香川の動きも良かったし、融合・連動で点を取れたのは収穫だった。
 
 久保の台頭はチームにとって大きいよ。ちょっと前は原口が点を取ってチームを引っ張り、今度は久保が出てきた。若い力の活躍が、チームを活性化しているね。
 
 その意味で言えば、中盤の選手をもっと使ってほしかったところもある。倉田を入れたらどうなったか? そのあたりが見たかったな。
 
 ハリルホジッチ監督は本田を途中投入したけど、もう本田の実力は分かっている。であれば、新たな戦力を試したほうが、チームにはプラスだ。酒井高の運動量がチームを助けていたから、あそこを代えるのは監督として難しかったかもしれないけど、中盤をテコ入れするのも手だった。
 
 それに、クラブで出場機会を失っている選手を起用したのは狙いがあったんだろう。たとえ短い時間でも、プレー機会を与えられれば選手は自信を取り戻す。スタメンで出た川島や長友はきっちり貢献したし、途中出場の本田や宇佐美も不安を感じさせるプレーはなかった。そういった意味では、監督の思惑は成功したと言えるかもしれない。
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