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【名選手・誕生秘話】「年俸240万円」から日本代表へ。太田宏介を導いた指揮官と元代表戦士との出会いとは?

カテゴリ:Jリーグ

飯尾篤史

2017年04月04日

三浦淳寛は「憧れの存在」。

同じ左サイドを主戦場とした元日本代表の三浦(右)は、太田にとって「憧れの存在」多くの技術を学ぶべく、積極的に懐へ飛び込んだ。(C) J.LEAGUE PHOTOS

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 悲壮感をもって帰国した太田に、運が味方する。DFに負傷者が続出し、出場機会が突然巡ってきたのだ。
 
 開幕4試合のうち2節を除いてベンチにすら入れなかった太田が、5節のジェフ千葉戦でCBとして先発し、念願のJ1デビューを飾った。
 
 もっとも、J1のハードルは高く、チームは失点を重ねて黒星の山を築く。太田も不慣れなポジションで奮闘したが、横浜F・マリノスに1-8で敗れるなど、打ちのめされてばかりだった。
 
「心にゆとりがなくて、来たボールは全部大きく蹴り返すだけ。ただプレーしている、という感じでした。プロとして勝負するならSBしかないという想いを抱きながら、もがいてましたね」
 
 高卒2年目の選手というのは、簡単に出場機会を得られるものではない。太田にとっては「ただプレーしている」だけだったかもしれないが、大きな意味があった。J1での試合経験を買われ、その年の夏にカナダで開催されるU-20ワールドカップのメンバーに選ばれたのだ。
 
 チームメイトは、柏木陽介、安田理大、槙野智章、内田篤人といった同級生の有名選手ばかりだった。
 
「みんな雲の上の存在だったし、自分が技術で劣っているのも分かっていた。途中から代表に呼ばれるようになって誰も僕のことを知らなかったし、当時は人見知りだったから全然しゃべったりできなくて、ちょっと苦痛でしたね」
 
 だが、ワールドカップが始まる頃にはチームメイトとも打ち解け、ナイジェリアとのグループステージ第3戦では左SBとしてフル出場を果たした。
 
 わずか1試合の出場。それもグループステージ突破を決めた後に得られたチャンスだったが、世界大会のピッチに立ったことで太田の中でなにかが弾けた。
 
「これまでは手の届かない存在だと思っていたけど、あの大会を経験して、みんなに負けたくない、もっと上に行きたいって思うようになったんです」
 
 左SBを極めたい――。
 
 そんな想いを募らせてカナダから帰国した太田に、その後の人生を決定づける人物との出会いが待っていた。
 
 ひとりは、8月にヴィッセル神戸から加入した三浦淳寛である。

―――◆―――◆―――◆―――

 右利きと左利きという違いこそあれ、同じ左サイドを主戦場とし、日本代表として活躍した三浦は、太田にとって憧れの選手だった。
 
 太田の脳裏に焼き付いているのは2006年、神戸時代のプレーである。プロ1年目でベンチにすら入れなかった太田は、昇格を争うライバルとの直接対決をスタンドから見守った。
 
「アツさんはひとりだけ別格で、J2でプレーするような選手じゃないなって」
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