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【コラム】「ルイス・エンリケのサッカーは正しかった」バルセロニスタはきっとそう気付かされる

カテゴリ:メガクラブ

豊福晋

2017年03月06日

シャビは全盛期を過ぎ、そしてMSNがいた。

このMSNを最大限に活かすべく、カウンターを取り入れたルイス・エンリケだが、そのサッカーは最後まで周囲に受け入れられなかった。写真:Rafa HUERTA

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 疑念と批判と成功が入り混じった3年間だった。
 
 これほど結果を出したのに、これほど批判された監督もそうはいないだろう。焦点は最後までそのサッカーの内容にあった。
 
 ルイス・エンリケは就任1年目からリオネル・メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールという3人の類稀なアタッカーを同時に抱えるという、世界中の指揮官がうらやむ幸運に恵まれた。
 
 選択したのは、この“MSNトリオ”の能力を最大限に活かすサッカーだ。前線からのプレスの強度を弱めて、この3人の守備負担を軽減し、ある程度の自由を与えて攻撃に専念させた。
 
 ポゼッションを究極の善としてきたバルサに、縦に速い攻撃の概念を注入。時間のかかるパスワークよりも、スピーディーなカウンター攻撃を優先した。一瞬にして独力で敵陣を切り裂ける3人の能力を目一杯に引き出すための術だ。
 
 批判が出るまでに時間はかからなかった。
 
「ルイス・エンリケはバルサ・イズムを捨てた」
 
「ティキタカ(ショートパスを繋ぐパスサッカー)のないバルサはバルサじゃない」
 
「つまらないカウンター一辺倒のチーム」
 
 ルイス・エンリケ自身がカウンターの信奉者だったわけではない。バルサBの監督時代にはまるで違う種類のサッカーをしていたし、ローマやセルタでのスタイルを見てもそれは明らかだ。
 
 ただ考えたのは、抱える選手のポテンシャルを最大限に引き出すこと。時代が違えば、つまり陣容が違えば、選んだスタイルは違っただろう。
 
 しかし、かつてバルサのティキタカを体現者だったシャビはとうに全盛期を過ぎ、ルイス・エンリケ就任から1年でカタールのアル・サッドに去った。そして例によって前線にはMSNがいた。
 
 この陣容であれば、最終的に行き着くところは、誰であれルイス・エンリケのサッカーになったはず。理想や夢やアイデンティティーはひとまず脇に置いておくとして、少なくともそれが最も理にかなった選択だからだ。しかし、指揮官の決断は最後まで評価されなかった。
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