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【小宮良之の日本サッカー兵法書】地獄…柴崎が挑戦するスペイン2部の「心身に堪える」厳しい環境

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2017年02月09日

「絶対に昇格」という強迫観念が、選手に重くのしかかる…。

テネリフェのホームスタジアム、エリオドロ・ロドリゲス・ロペス。この空間に、柴崎は幾度の歓喜をもたらすことができるか。 (C) Getty Images

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「1部には、プレー技術やビジョンに優れ、経験のある選手も多いから、試合のなかで予想外のミスが起きにくい。つまり、不測の事態に神経質になる必要はないんだ。でも、2部の試合では、たったひとつのプレーで試合の潮目が出て、流れががらりと変わってしまうことがある」
 
「先制点の重みは、1部の方があるね。2部ではミスが多いから、リードされても挽回できる。ただそれだけに、なかなか試合が落ち着かない。何が起きてもおかしくないという難しさがあるんだ」
 
 スペインの2部リーグについて、こうバレロンは語る。昇格を懸けた戦いは、メンタルがモノを言うということか。
 
 テネリフェは現在4位(24節終了現在)で昇格圏内にいる(1、2位が自動昇格、3~6位が昇格プレーオフを戦う)。
 
「前年に1部から降格してきたクラブが2部の上位を引っ張っていくのが通例だけど、先を見通すのが難しい。マラソンでいえば、大きな集団に飲み込まれたかたちのレースが続く、という感じだ(昨シーズン、残り5節になっても半数のチームに昇格の可能性あった)」
 
「2部での戦いは、決して甘くはない。昇格という言葉に振り回されるようだと躓くことになるだろう。必要以上に『絶対に昇格』という強迫観念が、選手に重くのしかかってくる。そのせいで、プレーが安定しないのさ」
 
 果たして、柴崎は外国人助っ人として定位置を掴み、チームを引っ張ることができるのか。
 
 デビュー戦が待ち望まれる。
 
文:小宮 良之
 
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『おれは最後に笑う』(東邦出版)など多数の書籍を出版しており、2016年2月にはヘスス・スアレス氏との共著『「戦術」への挑戦状 フットボールなで斬り論』(東邦出版)を上梓した。
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