セリエBのピサを率いるジェンナーロ・ガットゥーゾ監督が現地時間２月８日、ファビオ・カンナバーロが指揮する天津権健とピサで親善試合を行なった。その試合後、自身も中国で指導する可能性がゼロではないと明かしている。
 
　2013年の現役引退以降、シオンでプレーイングマネジャーを務め、その後もパレルモやOFIクレタ（ギリシャ）など、世界的に名が知られているとは言えないクラブで指揮を執ってきたガットゥーゾ。だが、2015年に就任したピサでは、就任１年目でチームを２部昇格に導き、今シーズンもセリエBで24節を終えて暫定18位と残留を争うなど、指導者としての経験を積み重ねているところだ。
 
　いずれは古巣のミランを率いたいという夢を持つガットゥーゾだが、まったく新たな挑戦への扉を閉ざすこともないようだ。天津権健との試合後、同監督は将来的な中国挑戦の可能性を問われ、「絶対ないということはない」と答えている。『メディアセット』などイタリア・メディアが伝えた。
 
「この仕事を学ぶために、私は低いところからスタートした。若いときはすべてを知ったようなつもりでいるが、優れた選手だったというだけじゃ足りないんだ。この仕事はもっと複雑なんだよ」
 
　選手のみながらず監督も“爆買い”している中国スーパーリーグでは、カンナバーロのほか、ルイス・フェリペ・スコラーリ（広州恒大）、アンドレ・ヴィラス・ボアス（上海上港）、マヌエル・ペレグリーニ（河北華夏）、フェリックス・マガト（山東魯能）、ドラガン・ストイコビッチ（広州富力）など、名だたる名将たちがしのぎを削っている。ガットゥーゾが彼らとの対戦を望んでもおかしくはない。
 
　また、昨年10月から中国代表を率いるのも、イタリア代表で薫陶を受けたマルチェロ・リッピ監督だ。
 
　なお、試合はブラジル代表FWのアレッシャンドレ・パット（１月にビジャレアルから移籍）のゴールなどで天津権健に２点の先行を許したピサが、終盤の３得点で３-２と逆転勝利。2006年のドイツ・ワールドカップでともにイタリアを世界王者に導いたガットゥーゾとカンナバーロの監督勝負は、前者に軍配が上がった。試合の収益はイタリア中部地震の被災者に寄付される。