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【小宮良之の日本サッカー兵法書】日本人がスペインで輝けない原因・乾がエイバルで活躍できる理由

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2017年02月02日

会話の上手さよりも人間的な真面目さや非凡さを評価する気質。

クラブワールドカップ(写真)での活躍がテネリフェでも知られており、全く未知の外国人というわけではない柴崎だが、サッカー、環境、そして言語と、短期間で多くのものに慣れなければならない。 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 現在、リーガ・エスパニョーラで主力になっている外国人選手の8割以上は、スペイン語圏、準スペイン語圏選手、もしくは旧ユーゴ系選手で占められる。
 
 ちなみに、語学習得力の低いイギリス人選手が苦労しているのは必然だろう。「英語が世界共通語」という傲慢さも邪魔をする。
 
 リーガ1部に降り立った日本人選手は、そのほとんどが1年で撤退しているが、彼らはいずれも、スペイン語をマスターすることはできなかった。
 
 では、なぜ乾貴士はリーガに定着できているのだろうか?
 
 それは、彼が所属するエイバルというクラブがバスク地方にあることと浅からぬ関係がある。
 
 バスク人の気質は、スペイン人というよりもドイツ人に似ている。質実剛健、誠実な人柄を評価し、努力や献身に価値を与えられる。会話の上手さよりも、人間的な真面目さや非凡さを評価してもらえるのだ(しかも、彼らにとっての第一言語はバスク語)。
 
 すなわち、乾はドイツと似た環境でプレーできている。
 
 もっとも、リーガのプレーレベルは、ブンデスリーガよりも格段に高い。プレーリズムを掴むのは至難の業だろう。そこで乾が力を出せているのは、まさに彼の実力という他ない。
 
文:小宮 良之
 
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『おれは最後に笑う』(東邦出版)など多数の書籍を出版しており、2016年2月にはヘスス・スアレス氏との共著『「戦術」への挑戦状 フットボールなで斬り論』(東邦出版)を上梓した。
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