現在のバルサにとってメッシの年俸を上げるのは簡単ではない。

メッシはナンバーワンの選手だが、ガラタコスの言う通り、有能なチームメイトの存在があってこそ。現在の主力をどれだけ留めさせられるかもまた、バルサにとっては大きな課題である。 (C) Rafa HUERTA
問題は、年俸の確保だ。名実ともに世界最高の選手と見なされているメッシは、世界最高の報酬を受けるべきである。実際に現在、受け取っている年俸額2000万ユーロは、ほんの1年前まで世界最高の数字だった。
しかしその後、中国の金満クラブによる選手の“爆買い”が始まったことで、メッシを上回る年俸を稼ぐ選手が続々と現われるようになった。
マドリーに次ぐ世界2位の年商を上げているものの、その傍らで高騰し続ける人件費の確保に苦心しているバルサにとって、これ以上メッシの年俸を大幅に上げるのは簡単なことではないのである。
昨年9月に新設されたバルサのCEOに就任したオスカル・グラウは、ガラタコス発言の数日前にこう語っていた。
「予算の70パーセントを人件費に充てることなどできない。我々の望みは、史上最高の選手に残ってもらうこと。本人もそのつもりだが、常識の範囲内で話し合う必要がある」
この発言に対し、ルイス・スアレスは「常識など必要ない。やるべきことはメッシとの契約延長だ」と警告を発したが、現時点でまだ、クラブは正式なオファーを提示することはできていない。
このような状況下、マンチェスター・シティが1億1500万ユーロのオファーを用意し、グアルディオラがメッシとの接触を開始しているといった噂も出てきている。
余程のことがない限り、メッシが他クラブへ移籍することはないだろうが、一刻も早くエースを満足させられる条件をまとめ、クラブの意思として提示する必要があることに変わりはない。
メッシだけではない。
今シーズンいっぱいで契約満了となるルイス・エンリケ監督は4月まで交渉を受け付けてくれないし、イニエスタ、イバン・ラキティッチら他の主力選手との契約更新も急がなければならない。
シーズンは折り返しを迎えるところだが、カンプ・ノウのオフィスは早くも正念場を迎えている。
文:工藤 拓
【著者プロフィール】
くどう・たく/1980年、東京都生まれ。桐光学園高、早稲田大学文学部卒。三浦知良に憧れて幼稚園からボールを蹴り始め、テレビで欧州サッカー観戦三昧の日々を送った大学時代からフットボールライターを志す。その後、EURO2004、ドイツ・ワールドカップの現地観戦を経て、2006年よりバルセロナへ移住。現在は様々な媒体で執筆している。
しかしその後、中国の金満クラブによる選手の“爆買い”が始まったことで、メッシを上回る年俸を稼ぐ選手が続々と現われるようになった。
マドリーに次ぐ世界2位の年商を上げているものの、その傍らで高騰し続ける人件費の確保に苦心しているバルサにとって、これ以上メッシの年俸を大幅に上げるのは簡単なことではないのである。
昨年9月に新設されたバルサのCEOに就任したオスカル・グラウは、ガラタコス発言の数日前にこう語っていた。
「予算の70パーセントを人件費に充てることなどできない。我々の望みは、史上最高の選手に残ってもらうこと。本人もそのつもりだが、常識の範囲内で話し合う必要がある」
この発言に対し、ルイス・スアレスは「常識など必要ない。やるべきことはメッシとの契約延長だ」と警告を発したが、現時点でまだ、クラブは正式なオファーを提示することはできていない。
このような状況下、マンチェスター・シティが1億1500万ユーロのオファーを用意し、グアルディオラがメッシとの接触を開始しているといった噂も出てきている。
余程のことがない限り、メッシが他クラブへ移籍することはないだろうが、一刻も早くエースを満足させられる条件をまとめ、クラブの意思として提示する必要があることに変わりはない。
メッシだけではない。
今シーズンいっぱいで契約満了となるルイス・エンリケ監督は4月まで交渉を受け付けてくれないし、イニエスタ、イバン・ラキティッチら他の主力選手との契約更新も急がなければならない。
シーズンは折り返しを迎えるところだが、カンプ・ノウのオフィスは早くも正念場を迎えている。
文:工藤 拓
【著者プロフィール】
くどう・たく/1980年、東京都生まれ。桐光学園高、早稲田大学文学部卒。三浦知良に憧れて幼稚園からボールを蹴り始め、テレビで欧州サッカー観戦三昧の日々を送った大学時代からフットボールライターを志す。その後、EURO2004、ドイツ・ワールドカップの現地観戦を経て、2006年よりバルセロナへ移住。現在は様々な媒体で執筆している。