【ミラン番記者】本田圭佑はハリルホジッチの忠告を無視するのか?

カテゴリ:海外日本人

マルコ・パソット

2017年01月15日

「スソの代わりに本田を使おう」という案がこれっぽっちも浮かばなかった。

スソはドリブル、パス、シュートを駆使して独力で違いに。いまやミラン攻撃陣の核で、本田の出る幕はない。(C)Getty Images

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 本田の出場機会がまるでなかった試合は、今シーズンで早くもこれが14回目(20試合中)。もはや彼はスソのライバルですらない。おまけにこの決定は、スソの調子を見て試合直前になされたものではなく、事前に決められていた。本田にとっては最悪だ。
 
 そう、モンテッラの頭には、「スソの代わりに本田を使おう」などという案がこれっぽっちも浮かばなかったのである。
 
 しかし、このコラムで毎回のように繰り返しているが、忘れてはいけないのは、スソが単にモンテッラのお気に入りだから主力を張っているわけではないということ。いまやミランの攻撃は彼なしでは考えられないほどの存在感を放っており、スペイン代表入りも噂されるほどのパフォーマンスなのだ。
 
 ベスト16とはいえ、コッパ・イタリアは一発勝負。だからモンテッラは、信頼に応える活躍を見せているスソを先発に送り出したに過ぎない。
 
 また、MFのアンドレア・ベルトラッチが、間接的であるにしても本田の立場をより難しくしている。開幕直後の怪我で長く戦列を離れていたイタリア代表MFは、12月に入って復帰すると、直近の公式戦5試合中4試合でスタメン起用され、好パフォーマンスを見せている。
 
 このベルトラッチがインサイドハーフで計算できるようになったため、インサイドハーフ兼左ウイングのジャコモ・ボナベントゥーラをより左ウイングで起用しやすくなった。このポジションは本田がプレーできるもうひとつの可能性だったが、それすらも塞がれたのだ。
 
 先のトリノ戦も、出場停止だったエムバイ・ニアングの代わりとなる左ウイングでボナベントゥーラ、インサイドハーフでベルトラッチが先発。モンテッラは他の選手は替えることができても、スソとボナベントゥーラだけはどうしても外すことができないのだ。
 
 実際、トリノ戦のゴールはこの2人から生まれた。1点目はスソのミドルシュートをGKが弾き、そのこぼれ球を拾ったボナベントゥーラがユライ・クツカの得点をアシスト。2点目はスソの斜めのロビングパスを、ボナベントゥーラが右足ダイレクトで叩き込んだ。
 
 ミランはこれから、トリノ戦(1月16日のセリエA20節)、ナポリ戦(1月22日のセリエA21節)、そしてユベントス戦(1月25日のコッパ・イタリア8強)と強豪との連戦が続く。本田に出番が回ってくる可能性は極めて低い。
 
 本田とミランの日々は、これからも変わらないだろう。本田は一生懸命に練習をして、それを見てモンテッラは彼のプロ精神と献身を公の場で褒め称える。その繰り返しだ。
 
「本田は素晴らしいプロフェッショナル。チームの手本となるべき存在だ」
 
 今やお馴染みとなったモンテッラのこの賛辞は、おそらく彼の本心から出たものだろう。しかし、これだけ使ってもらえないとなれば、本田はまるでからかわれているような気分になっても不思議ではない。
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