【天皇杯決勝|戦評】最高の出来ではなかった鹿島が、それでも勝てた理由

カテゴリ:Jリーグ

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2017年01月01日

気付けば鹿島が試合をコントロールし…。

後半途中から川崎の大久保はなかなかチャンスに絡めなくなった。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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 延長戦に入ってからは、完全に鹿島ペースだった。90~100分の間に実に5度も決定機を作った(そのうちのひとつがファブリシオのゴール)点からも、それは明白である。
 
 一方、延長戦の川崎は司令塔の中村がボールを持っても、2人目、3人目の動きがまるでスローのようだった。パスというよりフリーランのほうが肝になっている川崎流の攻撃サッカーで、2人目、3人目の動きがほぼなくなってしまったのは致命傷に映った。
 
 前半はやや押し込まれていた鹿島が気付けば試合をコントロールし、最後に勝者としてピッチに立っていた。試合後の監督会見で、「アントラーズの勝負強さは何か?」と訊かれた指揮官はこう返答している。
 
「タイトルを獲った者にしか分からない、勝負どころを知っている」
 
 単純な戦術論だけでは勝敗のポイントを見出しにくい一戦だっただけに、石井監督のそのひと言は妙にしっくりきた。

 また石井監督は「天皇杯の準々決勝に勝てたのも大きかった」と言っている。クラブワールドカップで燃え尽きることなく、天皇杯の準々決勝を制して準決勝、決勝へと良い流れを作れたことも勝因のひとつだったと。

 2016シーズン、終わってみれば鹿島の強さが際立つ結果となった。年間勝点1位の浦和でも、華麗な攻撃サッカーを披露した川崎でもなく、鹿島の勝負強さを改めて見せつけられたシーズンだったと言えるだろう。
 
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

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