“大物監督集結元年”は年間最優秀監督も注目だ。

3バックを取り入れるなどプレミアリーグに新風を吹き込んでいるチェルシーのコンテ監督。 (C) Getty Images

昨シーズン途中からリバプール指揮官に就任したクロップ。プレミアでも屈指の熱血漢に率いられたチームは優勝レースに堂々と絡んでいる。 (C) Getty Images
大物監督の「集結元年」とも言える今シーズンは、年間最優秀監督賞の行方も興味深い。
必ずしも優勝監督が選ばれるとは限らない賞でもあるが、前半戦を終えた時点では、チェルシーを立て直したアントニオ・コンテの名が識者間でも多く挙げられている。
ただ、筆者は現時点だとリバプールのユルゲン・クロップを推したい。
コンテが就任1年目にして、エデン・アザールをはじめとするタレント陣の力を最大限に発揮させていることは間違いない。だがクロップは、フィリッペ・コウチーニョの攻撃センスだけが目立っていた集団からプラスアルファの力を巧みに引き出し、堂々と優勝争い演じているのだ。
同時に、就任21年目のアーセン・ヴェンゲルも要注目だ。現役監督のなかでプレミア最古参となる名将は、半年後に現契約が満了となる。巷ではアーセナルでの最終年という見方は根強く、祖国フランスではパリSGが来シーズンに向けてラブコールを送ってもいる。
もちろん、“ヴェンゲル・ファン”が揃うアーセナルのフロントが希望するのは、長期政権継続だろう。チームは優勝戦線に留まって新年を迎えており、ヴェンゲルの「有終の美」が現実味を増せば、半年前には停滞感を理由に「今シーズン限りでの退任」を望んでいた一部のアーセナル・ファンにとっても、心境複雑な2017年になるはずだ。
文:山中忍
【著者プロフィール】
山中忍/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。
必ずしも優勝監督が選ばれるとは限らない賞でもあるが、前半戦を終えた時点では、チェルシーを立て直したアントニオ・コンテの名が識者間でも多く挙げられている。
ただ、筆者は現時点だとリバプールのユルゲン・クロップを推したい。
コンテが就任1年目にして、エデン・アザールをはじめとするタレント陣の力を最大限に発揮させていることは間違いない。だがクロップは、フィリッペ・コウチーニョの攻撃センスだけが目立っていた集団からプラスアルファの力を巧みに引き出し、堂々と優勝争い演じているのだ。
同時に、就任21年目のアーセン・ヴェンゲルも要注目だ。現役監督のなかでプレミア最古参となる名将は、半年後に現契約が満了となる。巷ではアーセナルでの最終年という見方は根強く、祖国フランスではパリSGが来シーズンに向けてラブコールを送ってもいる。
もちろん、“ヴェンゲル・ファン”が揃うアーセナルのフロントが希望するのは、長期政権継続だろう。チームは優勝戦線に留まって新年を迎えており、ヴェンゲルの「有終の美」が現実味を増せば、半年前には停滞感を理由に「今シーズン限りでの退任」を望んでいた一部のアーセナル・ファンにとっても、心境複雑な2017年になるはずだ。
文:山中忍
【著者プロフィール】
山中忍/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。