ヴァーディーを一発屋と見なすのは早すぎる。

抜群のコンビネーションから幾多のゴールを生み出してきたマハレズとヴァーディーのホットライン。序盤戦は警戒されたこともあり苦しんだが、徐々に本来の輝きを取り戻しつつある。 (C) Getty Images
だが、褒め過ぎは、叩き過ぎと同様に禁物である。相手GKのクラウディオ・ブラーボは1対1がお世辞にも得意ではなく、ヴァーディーにすれば料理しやすいタイプだったとも言える。
ハットトリックという結果以上に重要なのは、相手の最終ラインの裏に抜けて2点を挙げ、相手CBジョン・ストーンズのパスミスを奪って3点目を決めるなど、ヴァーディーが自分らしいプレーをしていたことだ。
今シーズンの前半戦で、ゴール枯渇が騒がれたマンチェスター・Uのズラタン・イブラヒモビッチが、「自分のサッカーを続けていればゴールはいずれついてくる」と言い放ったように、“らしさ”を取り戻したヴァーディーにも結果がついてくるようになってきた。
マンチェスター・C戦では、ヴァーディーと同等、もしくはそれ以上に低調が指摘されていたリャド・マハレズも、ワンタッチパスでヴァーディーの2得点に絡んでいる。
レスターの“ホットライン”は、12月13日の16節のボーンマス戦(●0-1)でも立ち上がりからマハレズのスルーパスにヴァーディーが反応し、立て続けに相手ゴールを脅かしかけた。
しかし、絶賛されたわけではない。7分の場面ではヴァーディーのファーストタッチが大きく乱れたことで、メディアに「まだダメか」という調子で非難されもした。昨シーズンのプレミアリーグにおける「シンデレラストーリー」の主役も人の子である。
マハレズからのチャンス供給の質と量が高まってくれば、虎視眈々と相手最終ラインの裏を狙い、敵DFにプレッシャーをかけ続けるプレーが報われるという自信は、ボールタッチにも表れてくるだろう。本人も「1シーズン限りで終わるなんて思ったこともない」と、口にする。
昨シーズンの昇格組であるボーンマスにも敗れたチームの「大ヒット」には、さすがに陰りが見えてきた感が否めない。だが、レスターの点取り屋を「一発屋」とみなすのはまだまだ早すぎるだろう。
文:山中忍
【著者プロフィール】
山中忍/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。
ハットトリックという結果以上に重要なのは、相手の最終ラインの裏に抜けて2点を挙げ、相手CBジョン・ストーンズのパスミスを奪って3点目を決めるなど、ヴァーディーが自分らしいプレーをしていたことだ。
今シーズンの前半戦で、ゴール枯渇が騒がれたマンチェスター・Uのズラタン・イブラヒモビッチが、「自分のサッカーを続けていればゴールはいずれついてくる」と言い放ったように、“らしさ”を取り戻したヴァーディーにも結果がついてくるようになってきた。
マンチェスター・C戦では、ヴァーディーと同等、もしくはそれ以上に低調が指摘されていたリャド・マハレズも、ワンタッチパスでヴァーディーの2得点に絡んでいる。
レスターの“ホットライン”は、12月13日の16節のボーンマス戦(●0-1)でも立ち上がりからマハレズのスルーパスにヴァーディーが反応し、立て続けに相手ゴールを脅かしかけた。
しかし、絶賛されたわけではない。7分の場面ではヴァーディーのファーストタッチが大きく乱れたことで、メディアに「まだダメか」という調子で非難されもした。昨シーズンのプレミアリーグにおける「シンデレラストーリー」の主役も人の子である。
マハレズからのチャンス供給の質と量が高まってくれば、虎視眈々と相手最終ラインの裏を狙い、敵DFにプレッシャーをかけ続けるプレーが報われるという自信は、ボールタッチにも表れてくるだろう。本人も「1シーズン限りで終わるなんて思ったこともない」と、口にする。
昨シーズンの昇格組であるボーンマスにも敗れたチームの「大ヒット」には、さすがに陰りが見えてきた感が否めない。だが、レスターの点取り屋を「一発屋」とみなすのはまだまだ早すぎるだろう。
文:山中忍
【著者プロフィール】
山中忍/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。