インターハイは準決勝まで進出するも、流経大柏に後半アディショナルタイムに勝ち越し弾を許し、１－２で敗れた。「あれほど意識をして来たのにやられてしまう。それだけ自分たちは甘かった。それを痛感した」と廣末が語ったように、そこでもう一度、自己を見つめ直すことができた。住永も「最後の最後まで集中し続ける。そこで相手より劣ってしまっては絶対に勝てない」と、あらためて手綱を締めた。
 
　固めた決意は揺るがなかった。大混戦となったプレミアリーグEASTの覇権争い。第17節の清水エスパルスユース戦を２－０でモノにして首位に再浮上すると、最終節でもしぶとく戦い抜き、大一番を制した。チームの歴史を塗り替える戴冠劇だ。
 
　次なる戦いは、真の頂を賭けたファイナルゲーム、高円宮杯チャンピオンシップ（12月17日13時キックオフ、埼玉スタジアム）だ。
 
「高体連の代表として恥じない戦いをしたい」と黒田監督が語れば、「こんなチャンスは滅多にない。ずっと日本一を目標にしていて獲れていないので、ここで獲りたい」と高橋も意気込む。
　
　彼らはまだ、目標とする日本一の称号は手にしていない。サンフレッチェ広島ユースとのチャンピオンシップでも、最後の最後まで集中して戦い抜き、埼玉スタジアムで歓喜の咆哮を轟かせるか。“勝負強い”青森山田を全国に示せるか。
 
　舞台は整った。全力で、獲りに行く。

取材・写真・文：安藤隆人（サッカージャーナリスト）