日程が厳しい来年の8月末は、国内組の力が必要になるか。
しかし、考慮しなければならないのは、日本代表が戦う相手は、日本人ではないということ。
Jリーグでどんなにドリブルが光っても、「それ、当たりの激しい海外でも同じようにできる?」と。Jリーグで無敵のヘディングを誇るDFにも、「海外の選手にも競り勝てる?」と、どうしても疑念は沸いてしまう。
活躍した日本人Jリーガー=日本代表にふさわしい、とは限らない。この構図には注意が必要だ。
ひとつの指標になるのは、ACLだろう。
今季のACL決勝は、全北現代とアル・アインの対戦になった。ファーストレグは、全北現代が2-1で勝利したが、球際の激しいぶつかり合いで、削り合うシーンが目立つ。ベスト4に残った東アジア勢は、韓国が2クラブ。ベスト8は、韓国が2クラブ、中国が2クラブ。一方、日本勢はラウンド16で浦和とFC東京が敗退し、全滅した。今年だけの傾向ではない。
この戦況で、「コンディションの良い国内組を使ってよ」と言われても、「日本代表が戦う相手は日本人じゃないんだよ」という指摘のほうが、説得力をもっている。
まずはACLでの活躍を見たい。その意味で、筆者は常にJリーグ勢の戦いぶりに注目している。
特に、国内組の起用が必要になるのは、最終予選のラストを飾る、8月末のオーストラリア戦と、9月頭のサウジアラビア戦だ。
来年の3月はアウェーのUAE戦、ホームのタイ戦という流れで、欧州組にとっては移動の負担が小さく、条件は悪くない。また、6月のアウェーのイラク戦も、直前の親善試合も中東の近隣国で組めば、これも欧州組にとって移動負担が小さく、調整もしやすい。
最初の3試合は、欧州組にとっては、比較的やりやすい。問題はその後だ。
8月末のホームのオーストラリア戦は、一度日本まで移動する必要があり、その後、サウジアラビアまで出かけて行く。欧州組にとっては移動負担が大きく、時期としてもオフ明けのシーズン序盤で、コンディションが高まり切らない。この2試合で、突出した国内組の力がほしい。
その試験となるのが、2017年ACLではないか。海外勢とやり合える保証を突きつけ、ACLで活躍できたJリーガーならば、ハリルホジッチも安心して、この大一番でスタメンに送り出せる。
その時こそ、筆者も「コンディションの良い国内組を使ってよ」に乗っかろうと思う。
文:清水英斗(サッカーライター)
Jリーグでどんなにドリブルが光っても、「それ、当たりの激しい海外でも同じようにできる?」と。Jリーグで無敵のヘディングを誇るDFにも、「海外の選手にも競り勝てる?」と、どうしても疑念は沸いてしまう。
活躍した日本人Jリーガー=日本代表にふさわしい、とは限らない。この構図には注意が必要だ。
ひとつの指標になるのは、ACLだろう。
今季のACL決勝は、全北現代とアル・アインの対戦になった。ファーストレグは、全北現代が2-1で勝利したが、球際の激しいぶつかり合いで、削り合うシーンが目立つ。ベスト4に残った東アジア勢は、韓国が2クラブ。ベスト8は、韓国が2クラブ、中国が2クラブ。一方、日本勢はラウンド16で浦和とFC東京が敗退し、全滅した。今年だけの傾向ではない。
この戦況で、「コンディションの良い国内組を使ってよ」と言われても、「日本代表が戦う相手は日本人じゃないんだよ」という指摘のほうが、説得力をもっている。
まずはACLでの活躍を見たい。その意味で、筆者は常にJリーグ勢の戦いぶりに注目している。
特に、国内組の起用が必要になるのは、最終予選のラストを飾る、8月末のオーストラリア戦と、9月頭のサウジアラビア戦だ。
来年の3月はアウェーのUAE戦、ホームのタイ戦という流れで、欧州組にとっては移動の負担が小さく、条件は悪くない。また、6月のアウェーのイラク戦も、直前の親善試合も中東の近隣国で組めば、これも欧州組にとって移動負担が小さく、調整もしやすい。
最初の3試合は、欧州組にとっては、比較的やりやすい。問題はその後だ。
8月末のホームのオーストラリア戦は、一度日本まで移動する必要があり、その後、サウジアラビアまで出かけて行く。欧州組にとっては移動負担が大きく、時期としてもオフ明けのシーズン序盤で、コンディションが高まり切らない。この2試合で、突出した国内組の力がほしい。
その試験となるのが、2017年ACLではないか。海外勢とやり合える保証を突きつけ、ACLで活躍できたJリーガーならば、ハリルホジッチも安心して、この大一番でスタメンに送り出せる。
その時こそ、筆者も「コンディションの良い国内組を使ってよ」に乗っかろうと思う。
文:清水英斗(サッカーライター)