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【現地コラム】強国スペインを苦しめたサウスゲイトをプッシュする国内論調。協会は正式就任を決めるべきだ

カテゴリ:ワールド

山中忍

2016年11月17日

他の候補者にはヴェンゲルの名前も挙がるが…。

スピーディーな攻撃と組織的な守備を披露したイングランド。勝利は逃したが、選手たちも手応えを掴んだことだろう。 (C) Getty Images

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 数字の上では、スペインに6割もボールを支配されていたが、実際のところイングランドに受け身の印象は薄く、引く時には自陣に引き、機を見ては果敢にプレッシングを掛け、カウンター攻撃に転じた際にはしっかりと人を割くなど、攻守に能動的であった。
 
 残念ながら最後まで一貫してはいなかったものの、攻撃は人の動きだけではなく、パス自体にもスピードがあり、守備では組織力に加えて高い集中力をイングランドは発揮した。
 
 いずれも、ロイ・ホジソン監督時代の4年間(2012-16)とサム・アラダイス体制下での1試合(今年9月末に解任)ではほとんど記憶にない高質なサッカーであり、何よりFAが望むアイデンティティーの確立へ希望を抱かせる要素だった。
 
 所詮は親善試合という見方もあるだろう。しかし、その親善試合で選手たちが指揮官のプランを懸命に実行していた事実は、サウスゲイトについていく、という意志表示とも受け取れる。
 
 試合直後のコメントで、サウスゲイトが続投への意欲を覗かせる程度に留めたことに対し、ディクソンは冗談混じりに「正監督になりたい、と言わなかったことが不満だ」と嘆いていたが、万が一、FAが違う選択をした場合には、それこそ国民からは不満の声が噴出するに違いない。
 
 もっとも、“万が一”の可能性は皆無に等しい。というのも、6月末のホジソン辞任後にFAが就任を熱望していたアーセン・ヴェンゲルには、アーセナルでの今シーズンが終わるまでは手が出せない状況だ。
 
 また、その手腕が有望視されている母国人のエディ・ハウ(現ボーンマス指揮官)も、まだ経験の乏しさが否めず、それが国内での戦いに絞られている今シーズンのボーンマスで解決されるはずもない。
 
 他に選択肢があるとも思えないが、FAはサウスゲイトの正監督昇格を11月中に決め、本人が望む長期展望が可能な4年契約を与えるべきだ。
 
 ファン、識者、メディアを含むイングランド国民の多くは、スペイン戦を“サウスゲイト暫定監督”のテストではなく、“サウスゲイト新体制”の出発点と認識しているのだから。
 
文:山中忍
 
【著者プロフィール】
山中忍/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。
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