「あそこは自分のほうが、身長は高かったですし、そういうところは狙っていました」
 
　同サイドにいた浦和の選手は171センチの宇賀神と167センチの関根であり、186センチの自身の強さを出すにはもってこいの相手だった。結果的に彼をターゲットとした攻撃が奏功してエドゥアルドの同点弾が生まれたのだが、彼がこの位置で躍動したのには、他にも理由がある。
 
「守るよりも、攻めるのが大好きなんですよ」
 
　DF登録の選手であるが、実は板倉はゴールに対して貪欲だ。同期の三好が公式戦に出始めるようになったが、なかなかゴールが奪えずにいるなか、自身に初先発のチャンスが巡ってくると「あいつより先に点をとってやりますよ」と言っていたほど。
 
　実際に、出た試合では必ずシュートを放っている。今回は惜しくもゴールとはならなかったが、得点に直結させたプレーは彼にとって初であり、何よりもその重要度と貢献度は非常に大きかった。
 
「ほとんど滉のゴールに近いと思います。彼があそこで競り勝って、自分に落としてくれたので。そういう意味では彼の素晴らしいゴールだった」得点を決めたエドゥアルドも、板倉に対する感謝の念をまず口にしている。
 
　絶対の自信を持つ高さと、こだわりを持つ攻撃面で結果を残したことは彼にとって大きな糧になることは言うまでもないだろう。