ボールを持たないことに慣れてしまうと戦う力を徐々に失う…。
さらに言えば、ハリルホジッチ監督は、オーストラリア戦のような受け身に没頭するべきではない。
相手に「ボールを持たせる」のは、当然ながら、自分たちが「ボールを持っていない」という状態を意味している。それはフットボールの原則においては、一方的に劣勢に立つ。なぜなら、その状態は常に失点の可能性があって、逆に得点の可能性は全くないからだ。
深刻なのは、ボールを持たないことに慣れてしまった選手は、戦う力を徐々に失う、という点だろう。さながら、足を使わなくなった競走馬のように、いざという時に走れなくなる(ボールプレーを用いて攻撃できなくなる)。主体的なプレーの方が、ずっと難しいのだ。
11日、ホームで迎えるサウジアラビア戦は、力関係を考えたら日本が「ボールを持たされる」というゲームになることは間違いない。アウェーでのオーストラリア戦(もしくはタイ戦)とは、様相が違ってくる(事実、日本は国内での試合で、より苦しんでいる)。
果たして、能動的に戦えるか――。サウジ戦は、ハリルジャパンの今後を占う試金石となる。
文:小宮 良之
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『おれは最後に笑う』(東邦出版)など多数の書籍を出版しており、2016年2月にはヘスス・スアレス氏との共著『「戦術」への挑戦状 フットボールなで斬り論』(東邦出版)を上梓した。
相手に「ボールを持たせる」のは、当然ながら、自分たちが「ボールを持っていない」という状態を意味している。それはフットボールの原則においては、一方的に劣勢に立つ。なぜなら、その状態は常に失点の可能性があって、逆に得点の可能性は全くないからだ。
深刻なのは、ボールを持たないことに慣れてしまった選手は、戦う力を徐々に失う、という点だろう。さながら、足を使わなくなった競走馬のように、いざという時に走れなくなる(ボールプレーを用いて攻撃できなくなる)。主体的なプレーの方が、ずっと難しいのだ。
11日、ホームで迎えるサウジアラビア戦は、力関係を考えたら日本が「ボールを持たされる」というゲームになることは間違いない。アウェーでのオーストラリア戦(もしくはタイ戦)とは、様相が違ってくる(事実、日本は国内での試合で、より苦しんでいる)。
果たして、能動的に戦えるか――。サウジ戦は、ハリルジャパンの今後を占う試金石となる。
文:小宮 良之
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『おれは最後に笑う』(東邦出版)など多数の書籍を出版しており、2016年2月にはヘスス・スアレス氏との共著『「戦術」への挑戦状 フットボールなで斬り論』(東邦出版)を上梓した。