• トップ
  • ニュース一覧
  • 【連載】小宮良之の『日本サッカー兵法書』其の九十六「『守備的』なのは良しとしても『受け身』を続けてはならない」

【連載】小宮良之の『日本サッカー兵法書』其の九十六「『守備的』なのは良しとしても『受け身』を続けてはならない」

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2016年11月09日

ボールを持たないことに慣れてしまうと戦う力を徐々に失う…。

意識したリアクションサッカーはチームの強みとなるが、受動的な姿勢はチームの特徴すら奪ってしまう。サウジ戦で日本は、「ボールを持ち続ける」か「ボールを持たされる」か。 写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

画像を見る

 さらに言えば、ハリルホジッチ監督は、オーストラリア戦のような受け身に没頭するべきではない。
 
 相手に「ボールを持たせる」のは、当然ながら、自分たちが「ボールを持っていない」という状態を意味している。それはフットボールの原則においては、一方的に劣勢に立つ。なぜなら、その状態は常に失点の可能性があって、逆に得点の可能性は全くないからだ。
 
 深刻なのは、ボールを持たないことに慣れてしまった選手は、戦う力を徐々に失う、という点だろう。さながら、足を使わなくなった競走馬のように、いざという時に走れなくなる(ボールプレーを用いて攻撃できなくなる)。主体的なプレーの方が、ずっと難しいのだ。
 
 11日、ホームで迎えるサウジアラビア戦は、力関係を考えたら日本が「ボールを持たされる」というゲームになることは間違いない。アウェーでのオーストラリア戦(もしくはタイ戦)とは、様相が違ってくる(事実、日本は国内での試合で、より苦しんでいる)。
 
 果たして、能動的に戦えるか――。サウジ戦は、ハリルジャパンの今後を占う試金石となる。
 
文:小宮 良之
 
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『おれは最後に笑う』(東邦出版)など多数の書籍を出版しており、2016年2月にはヘスス・スアレス氏との共著『「戦術」への挑戦状 フットボールなで斬り論』(東邦出版)を上梓した。
【関連記事】
【日本代表】オマーン戦の背番号を発表。注目の大迫は15番、初招集の井手口は24番
【日本代表】オマーン戦は出場なし? 香川が右足首痛で練習を回避
【日本代表】コンディション重視の選手起用なら、一気に世代交代が進むか
【ドイツ在住記者の視点】ケルンでブレイクした大迫が日本代表にもたらすもの
【連載】小宮良之の『日本サッカー兵法書』其の九十五「日本サッカー界の監督からも『思想家』『革命家』は出現するか」
【連載】小宮良之の『日本サッカー兵法書』其の九十四「勝利のための戦略、戦略のための戦術、戦術のための原則、そして…」
【日本代表】「チームコンセプトが変わらなければ…」。本田が示す“改革へのトライ”
【日本代表】豪州戦と同じ轍は踏まない!「駆け引き」「準備」を意識する浅野に漂うゴールの予感

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ