「パイを広げる作業はまだまだ必要だと思う」
SD どうでしょう。宮本さんがガンバユースでプレーしていた当時から20年強が経過しますが、ガンバイズムはしっかり継承されていますか?
TM そこはやはり大事ですよね。僕だけじゃなく、コーチの梅津(博徳)もユース出身ですし、彼は長くこの年代で指導にあたってきた。ガンバのサッカーはつねにアグレッシブで攻撃的に行く。かといって守備も疎かにしてはいけないってところでね。練習の仕方はさすがにがらっと変わりました。昔はいまみたいに場面を切り取ってやる練習とかはなくて、とにかくゲーム、ゲームって感じでしたから。
SD 現役を引退して、FIFAマスターというFIFAの大学院に入学しました。もちろんいろんなカリキュラムがあったとは思うんですが、大多数のファンは「ああ、宮本はマネジメントのほうに進むんだな」とイメージしたはずです。
TM FIFAマスターで学んだ時間は本当に有意義で、充実したものでした。僕が強調したいのは、視点はたくさん持っていたほうがいいということ。現場での仕事をするにしても、マネジメントの側がなにを考えてるのかは分かっていたほうがいい。逆も然りで、両方の視点を持てたほうがいいと思うんです。いますぐにじゃなくても、もうちょっと先に役立つんじゃないかと。
SD 私なんかは最年少で日本サッカー協会の会長になる姿を連想してましたが。
TM いやいや(苦笑)。大変な仕事だと思いますけど、会長になられる方にしてもやっぱり、いろんな経験があってこそじゃないですか。
SD なるほど。では、今後の青写真は明確なものですか?
TM いま39歳。この40歳前後でできることはなにか。50歳前後でできることとはまた違うと思うんです。どんな立場かは分かりませんけど、いつになってもサッカーをもっとみんなに愛してもらいたい、サッカー文化をもっと根付かせたいという想いが根底にあって、そこに貢献していきたいんです。パイを広げる作業はまだまだ必要だと思うし、そこに関わっていきたい。ちょっとボヤっとしてますけど、そんな感じです。
※後編では、日本代表とガンバ大阪への熱き想いに迫ります。
【宮本恒靖インタビュー|後編】日本代表へのメッセージ、そしてガンバへの想い
―――――――――――◆―――――――――◆――――――――――――
PROFILE
宮本恒靖 Tsuneyasu MIYAMOTO|1977年2月7日生まれ、大阪府富田林市出身。小5でサッカーをはじめ、金剛中を経てG大阪ユースに入団。下部組織初のトップ昇格選手となり、知性派ディフェンダーとして鳴らした。2007年1月にレッドブル・ザルツブルクに移籍し、09年2月にはヴィッセル神戸へ。U-17、U-20、U-23と各年代の世界大会をすべて経験し、ワールドカップには02年と06年の2大会に出場した。11年に現役を引退。来季はJ3を戦うG大阪U-23チームの監督就任が有力視されている。J1通算/337試合・8得点、国際Aマッチ通算/71試合・3得点。
取材・文:川原崇(高校サッカーダイジェスト)
TM そこはやはり大事ですよね。僕だけじゃなく、コーチの梅津(博徳)もユース出身ですし、彼は長くこの年代で指導にあたってきた。ガンバのサッカーはつねにアグレッシブで攻撃的に行く。かといって守備も疎かにしてはいけないってところでね。練習の仕方はさすがにがらっと変わりました。昔はいまみたいに場面を切り取ってやる練習とかはなくて、とにかくゲーム、ゲームって感じでしたから。
SD 現役を引退して、FIFAマスターというFIFAの大学院に入学しました。もちろんいろんなカリキュラムがあったとは思うんですが、大多数のファンは「ああ、宮本はマネジメントのほうに進むんだな」とイメージしたはずです。
TM FIFAマスターで学んだ時間は本当に有意義で、充実したものでした。僕が強調したいのは、視点はたくさん持っていたほうがいいということ。現場での仕事をするにしても、マネジメントの側がなにを考えてるのかは分かっていたほうがいい。逆も然りで、両方の視点を持てたほうがいいと思うんです。いますぐにじゃなくても、もうちょっと先に役立つんじゃないかと。
SD 私なんかは最年少で日本サッカー協会の会長になる姿を連想してましたが。
TM いやいや(苦笑)。大変な仕事だと思いますけど、会長になられる方にしてもやっぱり、いろんな経験があってこそじゃないですか。
SD なるほど。では、今後の青写真は明確なものですか?
TM いま39歳。この40歳前後でできることはなにか。50歳前後でできることとはまた違うと思うんです。どんな立場かは分かりませんけど、いつになってもサッカーをもっとみんなに愛してもらいたい、サッカー文化をもっと根付かせたいという想いが根底にあって、そこに貢献していきたいんです。パイを広げる作業はまだまだ必要だと思うし、そこに関わっていきたい。ちょっとボヤっとしてますけど、そんな感じです。
※後編では、日本代表とガンバ大阪への熱き想いに迫ります。
【宮本恒靖インタビュー|後編】日本代表へのメッセージ、そしてガンバへの想い
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PROFILE
宮本恒靖 Tsuneyasu MIYAMOTO|1977年2月7日生まれ、大阪府富田林市出身。小5でサッカーをはじめ、金剛中を経てG大阪ユースに入団。下部組織初のトップ昇格選手となり、知性派ディフェンダーとして鳴らした。2007年1月にレッドブル・ザルツブルクに移籍し、09年2月にはヴィッセル神戸へ。U-17、U-20、U-23と各年代の世界大会をすべて経験し、ワールドカップには02年と06年の2大会に出場した。11年に現役を引退。来季はJ3を戦うG大阪U-23チームの監督就任が有力視されている。J1通算/337試合・8得点、国際Aマッチ通算/71試合・3得点。
取材・文:川原崇(高校サッカーダイジェスト)