松本山雅U-18はなぜ、横浜ユースを破るジャイアントキリングを起こせたのか?

カテゴリ:高校・ユース・その他

川原 崇(高校サッカーダイジェスト)

2016年10月31日

3試合で9ゴールを奪っての快進撃

殊勲の同点ゴールを決めた杉山⑩は試合後、「3年生はみんな特別な想いをもって臨んでました」と語った。写真:川原崇(高校サッカーダイジェスト)

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 だが後半になると、横浜の攻勢が強まる。63分にはMF椿直起(1年)とFW西田優太(3年)が同時投入され、にわかにディフェンスラインが後退していく松本。この厳しい時間帯でゴールを奪われなかったのが、最大の勝因だろう。指揮官はこう見ていた。
 
「どうしても両サイドが低くなってしまうんで、試合中やハーフタイムに細かく修正しました。じっくり対応して踏ん張った感じですが、この子たちはYo-Yoテスト(持久力テスト)の数値がトップチームと遜色ないレベルで、むしろ上を行っている。ずいぶん鍛えましたし、そこに加えてただ走るんじゃなく、いつ走るのか、どこに走るのかを徹底して追求させてきました」
 
 チームの真骨頂が体現されたのが、85分だ。左ウイングバックの河地迅也(3年)が強引に50㍍近くを単独打開する。その動きに呼応し、同じだけの長い距離を走ってきたのが、中央で待ち受けるFW丸山航平(2年)だ。グラウンダーの折り返しを見事にダイレクトで蹴り込み、これが値千金の決勝弾となった。
 
 長野県リーグ1部はすでに全日程が終了。松本は堂々の優勝を飾り、来季のプリンスリーグ北信越への参戦が期待されている。その勢いに乗って臨んだ今大会、1回戦でAC長野パルセイロU-18とのダービーマッチを3-0で制し、2回戦はプレミアリーグEAST所属のアルビレックス新潟U-18を4-3というド派手なスコアで破った。そして優勝候補の横浜の野望をも打ち砕き、初のベスト8に駒を進めたのだ。
  
「マリノスが強いのは百も承知です。でもここでひとつ超えるかどうかはクラブとしてもとても大事でした。絶対に受け身にならないで、しっかりプレッシャーを掛けていこうと、選手たちを送り出しました」
 
 3試合で9ゴールを奪っての快進撃にも、臼井監督はいたって冷静だった。
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