広島ユースの最新傑作、「イヨハ理ヘンリー」とは何者か?

カテゴリ:高校・ユース・その他

川原 崇(高校サッカーダイジェスト)

2016年10月30日

「カープも最近好きになってきましたし(笑)」

左SBでもプレーするイヨハだが、やはり本職はCB。いまは3バックの中央が板に付いてきたと語る。写真:森田将義

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 ナイジェリア人の父と日本人の母を持つイヨハは、1998年6月23日、愛知県江南市で生を受けた。地元のFCフェルボール愛知で中学までプレーし、U-15日本代表にも選出される。そしてステップアップを期し、熱心に勧誘してくれた広島ユースの門を叩くのだ。
 
 入団後はメキメキと頭角を現わし、真骨頂である対人プレーの強さに加え、左足から繰り出す長短のパス精度をも高めていった。

 センターバックでも左サイドバックでも一定水準のプレーを保証するイヨハ。本人はこれから、どちらのポジションで大成しようと考えているのか。
 
「どっちでもやれと言われればやりますけど、いまはトップでもユースでも3バックの中央をやらせてもらってて、これが落ち着いてます。板に付いてきた。ビルドアップのときは右に出ることが多いんで、かなり右足でのキックも意識して練習してきました。この半年くらいでだいぶ精度が上がったんじゃないですかね」
 
 穏やかに紡ぐ言葉の端々から、強い自我と自負が感じられる。つねにプロを意識して生活し、プレーしてきたからだろう。とても18歳とは思えない風格が漂う。
 
「本当に少しずつなんですけど、トップのレベルにも慣れてきましたし、先輩たちから盗めるところはどんどん盗んでます(笑)。毎週毎週、良くなってる。自分の成長を感じられるんで、すごく充実してます。サポーターにアピール? そうですねぇ。守備では粘り強さだったり、ゴール前での身体を張ったプレー、ヘディングの強さを見てほしい。攻撃面では、ビルドアップの質を高めようと、いまかなり意識して取り組んでるんで、成長を見守ってもらえたら嬉しいです」
 
 遠く離れた広島の地で過ごして、早や2年半が経過した。
 
「街も人も本当に大好きですよ。で、なによりサッカーに集中できる環境がここにはある。僕みたいにサッカーに打ち込んで成長したい人にとって、サンフレッチェは打ってつけの場所なんです。カープも最近好きになってきましたし(笑)」
 
 育成の名門、広島ユースが送り出す最新傑作。最後は高校生らしい屈託のない笑顔で締めてくれた。
 
取材・文:川原崇(高校サッカーダイジェスト)
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