次節で原口のヘルタと対戦! 無敗の4位、ホッフェンハイムが歩む革新的な独自路線とは!?

カテゴリ:ワールド

中野吉之伴

2016年10月28日

若い選手たちにとって、刺激的で、楽しいであろう新たな試み。

史上最年少監督を迎える入れる柔軟性と革新的な考えが、クラブ全体に浸透している。この試みは、サッカー界全体にとっても重要かつ興味深いものである。 (C) Getty Images

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 スカウティングがうまくいった好例としては、ケレム・デミルバイもそうだ。将来性を高く評価され、昨シーズンはレンタル先のデュッセルドルフで11ゴールを挙げながらも、古巣ハンブルクではノーチャンスだった。
 
 だが、高い技術と豊富なアイデアを評価されたホッフェンハイムでは、一気にその開花させ、攻撃にアクセントを加える存在としてチームに付加価値をもたらしている。
 
 ホッフェンハイムでは、すでに様々なテクノロジーを導入され、最先端の技術をトレーニングに応用している点も見逃せない。
 
 ドローンを用いてトレーニングを録画する他、最近はゴールバーにアクションカメラを設置し、シュートを打つ時のフォーム、CBやGKのポジショニングや走るコースの分析に役立てようという新しい試みも行なわれている。
 
 貪欲に様々なことにチャレンジする精神こそが、ホッフェンハイムの長所と言えるかもしれない。そういえば以前、ホッフェンハイムのスポーツイノベーション部門主任のラファエル・ホフナー氏に、こんな話を聞いたことがある。
 
「スポーツとテクノロジーの理想的な融合、イノベーションへのあくなき挑戦。コーチングスタッフと企業のあいだに入り、さらに発展・成長させていきたい」
 
「テクノロジーの分野においては、アメリカのNHLの方がまだ先を行っているとは思うが、自分たちも大きな一歩を踏み出しているところだ」
 
「選手を支え、自分たちのプログラムで育て上げていくことがコンセプト。自分たちのフィロソフィーを植え付けられた選手を育て上げる。それが目的だ」
 
 革新的に取り組むこと自体が目的なのではない。データを利用するということが、選手の動きを固定化し、狭めるというわけでもない。目的達成への最適化のために、革新が必要なのだ。
 
 その野心的で積極的な動きが新しいジャンルを開拓し、それがピッチに還元されてゆく。誰もやったことがない世界に足を踏み入れ、道を切り拓いていくというプロセスは、若い選手たちにとって、どれほど刺激的で、楽しいことだろうか。
 
 独自の路線を進むホッフェンハイムの挑戦は、我々サッカーファンにとっても、非常に興味深いものだ。
 
文:中野 吉之伴
 
【著者プロフィール】
なかの・きちのすけ/ドイツ・フライブルク在住の指導者。2009年にドイツ・サッカー連盟公認のA級コーチングライセンス(UEFAのAレベルに相当)を取得。SCフライブルクでの研修を経て、フライブルガーFCでU-16やU-18の監督、FCアウゲンのU-19でヘッドコーチなどを歴任。2016-17シーズンからFCアウゲンのU-15で指揮を執る。1977年7月27日生まれ、秋田県出身。

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