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【識者の視点】迷走の発端はアギーレ? 岡田采配を否定しハリルを雇う矛盾が明らかにする中長期的課題とは

カテゴリ:日本代表

加部 究

2016年10月13日

ハリルホジッチ監督は世界のなかでの日本の立ち位置は20年前と同じと見ているのかもしれない。

豪州戦では、相手も驚くほど守備的な戦術で挑んだ日本。結果的に勝点1を得たが……。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

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 もともと就任のタイミングを考えれば、ハリルホジッチ監督は大筋で過去の人選を継続するしかなかった。逆に下の世代の突き上げがないのに、強引な代謝を図ればすでにワールドカップは遠退いていた可能性もある。実は中長期的に見れば、日本サッカーは育成面でさらに大きな問題を抱えており、それは代表監督を誰にするか、などよりずっと根深い。
 
 ドイツが前世紀末の一時的な不振から復興を果たしたのが、育成改革に端を発しているのは周知の通りだ。今でもドイツは、定期的に「どんなサッカーを目指すから、こういう選手の育成を心がけてほしい」と全国の隅々にまで通達している。どの年代で何を優先し、最終的にどんな選手を育てて、どういうサッカーを描いていくのか。それをすべての関係者が共有し、足並みを揃えている。
 
 だがドイツよりはるかに競技人口が少ない日本では、指導者間で肝の部分の共通認識がない。極端に言えば、選手を壊すためにグラウンドに立つような人物も目立ち、プレーヤーズ・ファーストさえも徹底されていない。この土壌の改善なくして大きな収穫は望めないのだ。
 
 18年前に日本は初めてワールドカップに挑戦した。参加は32か国で「1勝1敗1分け」でグループリーグ突破を目指した岡田監督は、アルゼンチン、クロアチアとの連戦でなんとか勝点1を取るために入念な準備をした。どちらも1点差の惜敗。そこまでは悪い結果ではなかった。ところが勝点3を計算したジャマイカにも敗れてしまった。ただし当時の日本サッカーの経験値を考えれば、おそらくそれが精一杯だった。
 
 今ハリルホジッチ監督が進めていることは、あまり当時と変わらないように映る。つまり指揮官は、世界のなかでの日本の立ち位置は、20年前と同じだと見ているのかもしれない。そしてそれが誤りだと反論するのは難しい。
 
取材・文:加部 究(スポーツライター)
 
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