清武が居残り練習していた場所は、中央のバイタルエリア。

清武(13番)は香川(10番)からトップ下のポジションを奪えるか。非凡なボールテクニックと得点センスを駆使して、岡崎(9番)ら前線の選手を巧みに操り、攻撃をリードしてほしい。(C)SOCCER DIGEST
2ボランチは、キャプテンの長谷部の存在は揺るがず。相棒は、柏木陽介とした。
イラク戦を“負けられない一戦”と捉えるならば、柏木よりもより守備的な山口蛍という選択肢もあり得る。しかし、同時にこの試合は“勝たなければいけない一戦”でもある。当然ながら、勝利のためにはゴールが必要だ。攻撃面を充実させるには、柏木の展開力は不可欠。9月シリーズでは怪我のため、チームに帯同も出場はなく、悔しい想いをしたレフティの奮起に期待したい。
そして、トップ下だ。9月のUAE戦とタイ戦ではアタッカー陣で唯一、2試合にフル出場した香川は、周囲を納得させる働きを示せなかった。その後、ドルトムントに戻っても復調の兆しを見せられていない。
不振にあえぐ背番号10の代わりに、実力的にはそう大差ない清武弘嗣が抜擢されても不思議ではない。3日のトレーニングでは、清武はハリルホジッチ監督と居残りでシュート練習に汗を流していた。この“特別レッスン”が実施された場所は、中央のバイタルエリアである。清武がチャンスを掴む可能性は十分にある。
前線の3枚は、右に本田、中央に岡崎、左は原口元気という編成が現実的だろう。
多くの欧州組がクラブでレギュラーの座を掴めていないなか、原口はヘルタ・ベルリンで、もはや代えの利かない存在となっている。先発したタイ戦では貴重な先制弾を決めているなど、指揮官も良いイメージを持っているはずだ。
CFは若い浅野の台頭が目覚ましく、その勢いは岡崎に肉薄しているとも言える。それでも、得点以外の部分での貢献度が高い岡崎を凌駕するほどではない。練習中の何気ない動作ひとつとっても、岡崎は身体がキレている印象で、待望の“代表通算50得点目”も生まれそうな気配がある。
右ウイングは、いくらミランで不遇をかこっているとしても、本田をベンチに追いやるのは得策ではない。ゴールを決めたUAE戦では、勝点獲得には導けなかったとはいえ、最後まで身体を張ったプレーで頼りになる働きを見せていた。困難な時ほど、力を発揮する精神的支柱は、できるだけ長くピッチに立たせておくべきだ。
これ以上は負けられないイラクは引き気味に構え、一瞬の隙を突いて鋭利なカウンターを繰り出してくることが予想される。清武も「中東のチームは一発がある」と警戒する。日本が攻めあぐねる展開だと、ゲームはますます難しくなるだろう。早い時間帯に先制し、前に出てきた相手の背後を突いて、効率良く追加点を奪えれば勝機はグッと高まるはずだ。
最終予選で“ホーム2連敗”は絶対に避けなければならない。勝点3が最低限のノルマ。停滞感が漂うハリルジャパンは意地を見せられるか。
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
イラク戦を“負けられない一戦”と捉えるならば、柏木よりもより守備的な山口蛍という選択肢もあり得る。しかし、同時にこの試合は“勝たなければいけない一戦”でもある。当然ながら、勝利のためにはゴールが必要だ。攻撃面を充実させるには、柏木の展開力は不可欠。9月シリーズでは怪我のため、チームに帯同も出場はなく、悔しい想いをしたレフティの奮起に期待したい。
そして、トップ下だ。9月のUAE戦とタイ戦ではアタッカー陣で唯一、2試合にフル出場した香川は、周囲を納得させる働きを示せなかった。その後、ドルトムントに戻っても復調の兆しを見せられていない。
不振にあえぐ背番号10の代わりに、実力的にはそう大差ない清武弘嗣が抜擢されても不思議ではない。3日のトレーニングでは、清武はハリルホジッチ監督と居残りでシュート練習に汗を流していた。この“特別レッスン”が実施された場所は、中央のバイタルエリアである。清武がチャンスを掴む可能性は十分にある。
前線の3枚は、右に本田、中央に岡崎、左は原口元気という編成が現実的だろう。
多くの欧州組がクラブでレギュラーの座を掴めていないなか、原口はヘルタ・ベルリンで、もはや代えの利かない存在となっている。先発したタイ戦では貴重な先制弾を決めているなど、指揮官も良いイメージを持っているはずだ。
CFは若い浅野の台頭が目覚ましく、その勢いは岡崎に肉薄しているとも言える。それでも、得点以外の部分での貢献度が高い岡崎を凌駕するほどではない。練習中の何気ない動作ひとつとっても、岡崎は身体がキレている印象で、待望の“代表通算50得点目”も生まれそうな気配がある。
右ウイングは、いくらミランで不遇をかこっているとしても、本田をベンチに追いやるのは得策ではない。ゴールを決めたUAE戦では、勝点獲得には導けなかったとはいえ、最後まで身体を張ったプレーで頼りになる働きを見せていた。困難な時ほど、力を発揮する精神的支柱は、できるだけ長くピッチに立たせておくべきだ。
これ以上は負けられないイラクは引き気味に構え、一瞬の隙を突いて鋭利なカウンターを繰り出してくることが予想される。清武も「中東のチームは一発がある」と警戒する。日本が攻めあぐねる展開だと、ゲームはますます難しくなるだろう。早い時間帯に先制し、前に出てきた相手の背後を突いて、効率良く追加点を奪えれば勝機はグッと高まるはずだ。
最終予選で“ホーム2連敗”は絶対に避けなければならない。勝点3が最低限のノルマ。停滞感が漂うハリルジャパンは意地を見せられるか。
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

9月21日発売号のサッカーダイジェストの特集は「日本はワールドカップに辿り着けるのか」。ハリルジャパンの危機説を、「本当に日本は弱くなかったのか?」など“10の論点”から検証します。ルーツ探訪では小林祐希選手が登場。