神奈川・東京の才能が集う横浜FMJrユースが実践する「選手の価値」の高め方

カテゴリ:高校・ユース・その他

竹中玲央奈

2016年10月04日

自分で考える習慣をつけることで選手としての価値を高める。

「グラウンド状況とか相手の特徴とかを早い段階で理解して、相手にあったプレーができていると思います。ただ、試合が終わった後は脱力感というか、疲れが今までとくらべて精神的にも来るような感じですね」とは和田の言葉。彼が先に話した後半への修正はハーフタイムで話し合って生まれたものだが、これはコーチ陣から“強いられた”ものではなく、自分たちで話し合った答えだと言う。ハーフタイムは基本的に選手内で意見を交換し合い、最後に監督がそれをまとめて締めるという形をとっているのだ。
 
「“教えてください、僕をうまくして下さい”という発想はだめ。コーチの言うことはもしかしたら、ちょっとずれているところがあるかもしれないし、もしかしたら『ああ、そうだな』とすんなり受け入れられる時もあるかもしれないと。いろいろな試合の経験やいろいろなアドバイスを含めた結果、自分がどうするか。単純に、マリノスにいるからといって自然にうまくなるとは限らない。そこは勘違いしないように、と言っています」(坪倉監督)
 
 指導に頼らせず、自発的に考える習慣を付けることで選手としての価値を高める。
 
「神奈川とか東京近辺でも、将来性を含めてすごく魅力的な選手が毎年20名ずつくらい入ってくる」(坪倉監督)なかで、技術のみに頼らずそういう意図を持ってアプローチするこのチームからは、新たなスターが生まれてくるのではないかと強く感じさせられた。
 
 実際に、先に出た中村はバルセロナキャンプの最優秀選手に選ばれ、久保建英が渡西した翌年にバルセロナの地へ渡った選手であり、和田昂士はこの8月にブラジルへ遠征に行ったJリーグ選抜にも選出されている。名前で察することができる通り、今年トップ昇格を果たした和田昌士の弟だ。
 
 技術のみではなく、思考力、考察力を高め、それをピッチで体現する。彼らがさらに進化を重ねた時の姿が、楽しみである。
 
取材・文:竹中玲央奈(フリーライター)
 
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