U-19日本代表の救世主に!? 柏レイソルU-18の至宝、中村駿太の心意気

カテゴリ:高校・ユース・その他

川原 崇(高校サッカーダイジェスト)

2016年10月04日

理想はロナウド、現実のお手本はアグエロ

天性のボディーバランスを誇り、どんな体勢からでもシュートに持ち込む。彷彿とさせるのはアグエロだ。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 小学4年生から柏ひと筋のストライカーだ。
 
 2011年の全日本少年サッカー大会で得点王に輝き、柏U-12を優勝に導いた。そのゴール数が凄まじい。23点を叩き出し、31年ぶりに最多得点記録を更新したのだ。
 
 当時からトレードマークなのがボウズ頭。とくにこだわっているわけではなく、「父親と同じにしようと思っただけなんです」と振り返る。かなりぽっちゃりした少年で、周りの大人が「ロナウドみたいだな」と発したのをきっかけに、元ブラジル代表のレジェンドの存在を意識するようになったという。
 
「(ロナウドは)フォワードとしての究極の理想です。突進するようなドリブルからのゴールもそうですが、あれだけの華やかなキャリアを積めたら最高だなって思いますから。でも実際のプレーの参考にしているのは、僕と体格やプレースタイルが似ている(セルヒオ)アグエロと(カルロス)テベス。すごく研究してますし、好きですね。例えば僕自身が普段はしないようなプレーをアグエロがしたら、こんなこともできるんだ、なんとか真似できないかなって思いますし。ストライカーだから点を取るのが第一だけど、アシストの質もすごく高い。あんなふうにつねにゴールに絡めたら、ディフェンダーにとっては本当に厄介だと思うんです。現実的なお手本ですね」
 
 こちらが「アグエロっぽいね」と言う前に、その名前が出てきた。左右両足から放つショットはパワフルの一語に尽き、クロスを点で合わせる技術に長け、ボレーのミートが実に巧い。重心の低いドリブルで確実に局面を前へと進め、チームの攻撃をぐいぐいと牽引する。柏U-18では4-1-4-1システムの頂点に立ち、基準点として振る舞いつつ、サイドに流れてのチャンスメイクもお手の物。ラインブレイクの駆け引きに秀で、どんなフォーメーションでも、誰が相棒でも、持ち味を存分に発揮できる。そのあたりも、アルゼンチンが生んだ稀代のストライカーに通じる特性だ。
 
 そしてその誠実な性格と貪欲なまでの探求心が、進化を促進させている。
 
「今年はU-17、U-18、U-19と3つの代表チームに呼んでもらって、本当に素晴らしい経験をさせてもらってます。韓国、ロシア、チェコと海外遠征に参加して、どれも自分を見つめ直すいい機会になっている。忙しい、疲れたなんて言ったらバチが当たりますよ。SBSカップでは岩崎くんと2トップを組みました。本当にすごいスピードで、あんなダイナミックな動きは僕にはないところ。自分の強みをどうすれば出せるか、その使いどころをよく分かっている。流石ですよ。人間的なところを含めて、受けた影響や刺激は大きいです」
 
 今回の23名で、最年少の99年組は中村とGKの若原智哉(京都サンガU-18)のふたりだけだ。いわゆる飛び級招集で、両選手とも来春の立ち上げが濃厚な新生U-18日本代表の主要メンバーである。つまり中村は、2年後にもう一度「アジア予選」を戦い、その翌年の「ワールドカップ」出場を目指す世代なのだ。「2回出れるチャンスがあるなんて恵まれてますよね。でもいまは、このチームで最大限になにができるかだけを考えて取り組みたいし、どんなことでもやりたい」と、バーレーン決戦に意識を集中している。
 
 とはいえ、いずれU-18、U-19日本代表でともに戦うだろう下の世代のことは気にかけているようだ。先日、U-16日本代表がワールドカップ行きの切符をもぎ取ったU-16アジア選手権も、全試合観たという。
 
「3月のサニックス杯で(U-17日本代表として)一緒にやったタケフサ(久保建英)とか平川(怜)が出ていたし、やっぱり気になりますよね。グループリーグはすげぇなぁ、強えなぁと思って観てましたけど、決勝トーナメントに入って相手の質がガラッと変わった。彼ら(日本)ほどの力があってもアジアで勝つのは簡単じゃないんだなって、改めて感じました」
 
 同じFWとして、ふたつ年下の久保のことはどう見ているのだろうか。
 
「タケフサはあれだけ注目されてても、ちゃんと結果を出してますよね。年齢とか学年に関係なく、普通にプレーしている。負けたくないって気持ちは、多少はありますけど、むしろ尊敬してますし、盗めるところは盗んでいきたいですね」
 
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