「上手くいかない時間を短くしないといけない」
戦況に分の悪さを感じた森山監督は、最終ラインとボランチのポジションを修正。そして、「試合前から決めていた」(森山監督)と、CB瀬古拓歩とDF菅原由勢を交代。菅原をCBに置いた。
森山監督の指示と菅原の投入が事態を好転させた。菅原が正確なコーチングと正確な縦パスでボランチを前に押し上げると、ようやく『畳み掛ける』瞬間が訪れた。
54分、谷本と菊地の連係で左サイドを崩すと、菊地のセンタリングをファーサイドでMF鈴木冬一が素晴らしいトラップで反転。ニアに飛び込んだ宮代へグラウンダーのパスを送ると、宮代がダイレクトで押し込んで、ようやく追加点を奪う。これで勢いに乗った日本は56分に再び左サイドを突破した菊地のクロスを鈴木が落として、最後は瀬畠が押し込んで3-0。一気に試合を決定付けた。
64分には右サイドのタッチライン際でボールを受けた鈴木からのパスを受けた、チーム最年少の松本が、キレのあるドリブルで一気にふたりを交わし、カットインから左足を鋭く一閃。ボールはGKの逆を突いて、ゴール右上隅に突き刺さった。
大量4点のリードを広げた日本は、67分に菊地に代えて、フィールドプレーヤーでは唯一出番の無かったDF作田龍太郎を投入。これでGK大内一生以外は、全員がピッチに立った。
すると今度はGK青木がスーパープレーで魅せる。81分、スルーパスからロバーツに抜け出され、強烈なシュートを撃ち込まれる。これを素早い反応で手に当てると、コースが変わったボールはバーを直撃。上空に跳ね上がって落ちて来たボールを詰めたナジャーリンがヘッドで押し込もうとするが、青木はダッシュでゴールラインまで戻り、ジャンプ一番片手でボールを搔き出した。二度に渡るスーパーセーブで、今大会初失点の最大のピンチを切り抜けた。
守備陣の奮闘に、攻撃陣がさらに応える。82分に谷本のパスを受けた上月がカットインからのシュートを決め5-0。86分には棚橋が鮮やかなドリブルシュートを決め、6−0としてタイムアップとなった。
後半は前半と打って変わって、攻守において選手が躍動し、3試合連続となる大量得点&無失点で締めくくってみせた。
「サッカーだからうまく行かない時間があって当たり前。当然それを短くしないといけないのですが、ただ我慢して(失点)ゼロで終わる勝ちは非常に大きい」と森山監督が語ったように、先制点後に畳み掛けないと、一転してピンチに陥るという経験を、最終戦で経験出来たことは大きい。
だが、それを繰り返してはいけない。なぜならば次は世界への懸けた一発勝負が待ち構えているからだ。それは森山監督も十分に承知だ。
「準々決勝で勝たないと何も達成しない。まだ今は何も得ていない。最後の決定戦(準々決勝)で負けたら何も得るものも無いまま、帰らないといけない」
決戦は25日。大混戦のグループBを通過してきたUAEを相手に勝ってこそ、すべてに意味が生まれる。
取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)
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森山監督の指示と菅原の投入が事態を好転させた。菅原が正確なコーチングと正確な縦パスでボランチを前に押し上げると、ようやく『畳み掛ける』瞬間が訪れた。
54分、谷本と菊地の連係で左サイドを崩すと、菊地のセンタリングをファーサイドでMF鈴木冬一が素晴らしいトラップで反転。ニアに飛び込んだ宮代へグラウンダーのパスを送ると、宮代がダイレクトで押し込んで、ようやく追加点を奪う。これで勢いに乗った日本は56分に再び左サイドを突破した菊地のクロスを鈴木が落として、最後は瀬畠が押し込んで3-0。一気に試合を決定付けた。
64分には右サイドのタッチライン際でボールを受けた鈴木からのパスを受けた、チーム最年少の松本が、キレのあるドリブルで一気にふたりを交わし、カットインから左足を鋭く一閃。ボールはGKの逆を突いて、ゴール右上隅に突き刺さった。
大量4点のリードを広げた日本は、67分に菊地に代えて、フィールドプレーヤーでは唯一出番の無かったDF作田龍太郎を投入。これでGK大内一生以外は、全員がピッチに立った。
すると今度はGK青木がスーパープレーで魅せる。81分、スルーパスからロバーツに抜け出され、強烈なシュートを撃ち込まれる。これを素早い反応で手に当てると、コースが変わったボールはバーを直撃。上空に跳ね上がって落ちて来たボールを詰めたナジャーリンがヘッドで押し込もうとするが、青木はダッシュでゴールラインまで戻り、ジャンプ一番片手でボールを搔き出した。二度に渡るスーパーセーブで、今大会初失点の最大のピンチを切り抜けた。
守備陣の奮闘に、攻撃陣がさらに応える。82分に谷本のパスを受けた上月がカットインからのシュートを決め5-0。86分には棚橋が鮮やかなドリブルシュートを決め、6−0としてタイムアップとなった。
後半は前半と打って変わって、攻守において選手が躍動し、3試合連続となる大量得点&無失点で締めくくってみせた。
「サッカーだからうまく行かない時間があって当たり前。当然それを短くしないといけないのですが、ただ我慢して(失点)ゼロで終わる勝ちは非常に大きい」と森山監督が語ったように、先制点後に畳み掛けないと、一転してピンチに陥るという経験を、最終戦で経験出来たことは大きい。
だが、それを繰り返してはいけない。なぜならば次は世界への懸けた一発勝負が待ち構えているからだ。それは森山監督も十分に承知だ。
「準々決勝で勝たないと何も達成しない。まだ今は何も得ていない。最後の決定戦(準々決勝)で負けたら何も得るものも無いまま、帰らないといけない」
決戦は25日。大混戦のグループBを通過してきたUAEを相手に勝ってこそ、すべてに意味が生まれる。
取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)
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